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更新日:2020年3月2日

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エチオピアで植栽されるアカシア類の共生微生物の解明とアグロフォレストリーへの応用

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1.共同研究機関

メケレ大

2.研究期間

2018~2020年度 JSPS科研費

3.責任者

香山 雅純(植物生態研究領域)

4.研究の背景

アフリカ東部に位置するエチオピアの北部ティグライ州の標高2,000 mを超える地域では、半乾燥地域の低木林が広範囲に分布し、Acacia etbaicaを始めとするアカシア類が優占し、低木林の中に農地も点在します。アフリカ諸国では、樹木の植栽と作物の栽培を同時に行うアグロフォレストリーが実施されています。具体的には、Faidherbia albida (シロアカシア) やAcacia saligna (アカシア・サリグナ) を植栽してイネ科作物 (ソルガムやオオムギ) を栽培した例が存在します。アカシアの根と共生するアーバスキュラー菌根菌が作物に感染することによって、相乗効果が得られて作物の収量が増加するとされています。ティグライ州では、シロアカシアを植栽し、オオムギを栽培するアグロフォレストリーが実施されました。しかし、これまでのアグロフォレストリーではイネ科作物の栽培がほとんどであり、エチオピアで特に重要な作物であるマメ類は、根に共生する根粒菌の種がアカシア類と合わないことから、アグロフォレストリーは確立されていませんでした。近年、アカシア・サリグナの根には多種にわたる根粒菌が感染できることが分かってきました。そのため、アカシア・サリグナを用いて、持続的かつ高い収量を目指したマメ科作物のアグロフォレストリー手法を確立することが期待されています。

5.研究の目的

本研究は、エチオピアの主要樹種であるアカシア類と主要作物の共通した菌類が共生することによって、アカシア類の成長促進と作物の収量増加を目指すアグロフォレストリーの技術の確立を目標とします。
また、樹木と作物の共通の微生物が共生することにより樹木の成長も促進させ、樹木による炭素蓄積を増加させることによって気候変動の緩和技術に貢献できる技術としての確立も目指しています。

6.研究内容

本研究では、エチオピアで植栽されるアカシア類と主要作物を同所で育成するアグロフォレストリーの試験をティグライ州で実施します。まず、野外に生育するアカシア類の共生菌 (アーバスキュラー菌根菌と根粒菌)の感染状況を調べ、これらの結果から、アグロフォレストリーの実施に適したアカシア類を選定します。そして、選定したアカシアの苗を試験地に植栽します。さらに、平成31年度から2年間アカシアの苗を植栽した試験地にイネ科とマメ科作物を植栽し、樹木の成長や作物の収量を検討します。一連の研究計画により、エチオピアにおけるアカシア類を用いたアグロフォレストリーの技術として確立していきます。

7.期待される研究成果

本研究によって、共生菌を利用した新しいアグロフォレストリーが開発され、作物の収量を増加させると同時に樹木による気候変動緩和に貢献できる手法を確立できます

8.研究論文

香山雅純、竹中浩一 (国際農研)、Buruh Abebe (メケレ大学)、Emiru Birhane (メケレ大学) エチオピア北部に植栽した樹木の炭の添加効果. 第8回関東森林学会講演集. p19.2018年10月

香山雅純、竹中浩一 (国際農研)、Buruh Abebe (メケレ大学)、Emiru Birhane (メケレ大学) エチオピア北部に植栽したアカシア類の植栽における炭の添加効果. 第66回日本生態学会要旨集. 2019年3月

Kayama, M., Takenaka, K., Abebe, B., Birhane, E. (2019) Effects of biochar on the growth of Olea europaea subsp. cuspidata and Dodonaea angustifolia planted in Tigray, northern Ethiopia. J. Jpn. Soc. Reveget. Tech. 45: 115-120.

Kayama, M., Takenaka, K., Koda, K., Sakai, T., Oniki, S., Hirata, M., Ogawa, R., Abebe, B. Girmay, G., Berhe, M., Gebreanenia, B., Birhane, E. (2019) The conservation of the forest of Acacia etbaica located in Tigray region, northern Ethiopia for the sustainable utilization. XXV IUFRO World Congress Forest Research and Cooperation for Sustainable Development, Abstract: 633

 

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