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更新日:2020年9月23日

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森林技術国際展開支援事業

背の低いマングローブ林の写真

1.共同研究機関

ベトナム森林科学アカデミー(Vietnamese Academy of Forest Sciences)、ベトナム社会主義共和国

2.研究期間

2020年度 林野庁補助事業

3.責任者

平田 泰雅(研究ディレクター 気候変動研究担当)

4.研究の背景

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書では、気温、海水温、海水面水位、雪氷減少などの観測から気候システムの温暖化には疑う余地はないことを指摘しています。この気候変動の進行による極端現象の顕在化により、地球規模で豪雨の強度増加や頻度上昇、非常に気圧の低い低気圧、台風の発生頻度の増加が報告されており、斜面災害の大規模化や頻度上昇、沿岸域での高潮被害の甚大化に対する効果的な対策は世界共通の課題となっています

近年の山岳地域や沿岸域における森林から農地への土地転換等の無秩序な土地利用改変は、これらの被害を深刻化させています。山岳地域における無秩序な森林伐採や排水を考慮しない道路の開設は、斜面を不安定化させ、大規模な土砂災害を引き起こすきっかけとなります。一旦、土砂災害が発生すると山麓に生活する人々の生計の手段である農地や家屋に被害が及び、時に人命を奪う災害となります。また、沿岸域でのマングローブは、海洋からの波の力を緩和するだけでなく、マングローブの根系が護岸の役割を果たしていることから、これを伐採し、養殖池や農地、水田を開発することにより、護岸の機能が失われ、高潮が発生した時に、より内陸部へと浸水被害が拡大する結果を招いています。

本課題では、日本の治山技術が蓄積してきた山地災害予測技術に、リモートセンシングやAIなどの最新の情報技術を組み合わせて、途上国に対して森林の防災・減災機能を活用した防災技術の実装に貢献することを目指します。

5.研究の目的

途上国の自然的・社会的条件や想定される災害のタイプ等を考慮しながら、リモートセンシング技術や治山技術を、途上国の森林の防災・減災機能の強化に適用するための手法を開発することを目的とします

6.研究内容

(1)日本の森林整備・治山技術を効果的に現地のニーズに合わせて適用するための手法の開発

現地の自然環境条件や社会情勢を考慮しながら、森林生態系の持つ防災・減災機能を活用する日本の治山技術を現地に効果的に適用する手法を開発します。

(2)リモートセンシング技術を活用したリスクマップ作成

リモートセンシング技術やAIなどの情報技術を活用して、既往の崩壊履歴および地形、地質、森林被覆、降水量等の各種情報を取得し、それらを解析処理することにより、斜面崩壊リスクマップ及び森林管理マップを作成します。

(3)海面上昇による高潮被害に対するマングローブ林の海岸域防災・減災機能の評価

気候変動の緩和・適応に重要な役割を果たすマングローブ林に対し、海面上昇による高潮被害に対する沿岸域の防災・減災機能の評価し、科学的根拠に基づいた保全策を策定します。

ベトナム森林科学アカデミーの正門の写真
ベトナム森林科学アカデミー

海に突き出した桟橋に4人の男性が座っている写真
マングローブ植林に関する住民からの聞き取り


7.期待される研究成果

(1)リモートセンシング技術やAI技術等を活用した山地災害の発生に係るリスクマップ作成手法、防災・減災に資する土地利用計画作成手法、治山事業実施のための事業計画策定手法、治山事業を途上国の施業地で実施する際に有効な現場技術が開発されます。

(2)専門家を対象とした森林機能を活用した防災・減災の国際セミナーや国際ワークショップ、技術ワークショップを開催することにより、研究の成果が広く発信され、国際議論に寄与します。


お問い合わせ

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