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更新日:2020年11月30日

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REDD+推進民間活動支援に関する研究

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1.共同研究機関

カンボジア王国環境省自然保全・保護局(The General Directorate of Administration for Nature Conservation and Protection, the Ministry of Environment, Cambodia)
ミャンマー連邦共和国農林水産省森林局(The Forest Department, the Ministry of Natural Resources and Environmental Conservation, Myanmar)
ペルー共和国農林水産省森林野生生物局(The National Forest and Wildlife Service (SERFOR), Peru)

2.研究期間

2015~2019年度 林野庁補助事業

3.責任者

平田 泰雅(研究ディレクター 気候変動研究担当)

4.研究の背景

REDD+の議論は、途上国における森林減少・森林劣化からの二酸化炭素の排出が、人間活動による温室効果ガス排出の約2割を占めているという気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書や、森林減少の抑制が低コストの気候変動の緩和策であるという英国財務省によるスターン報告などを契機として、急速に国際的な注目を集めるようになりました。また、最新のIPCC第5次評価報告書では、歴史的に気候変動の原因の1/3は森林減少などの土地利用変化であり、現在でも温室効果ガス排出の原因の1割を占めていることが強調されています。このため、国際社会が一丸となって、途上国における林減少・劣化の問題に取り組む必要があります。

REDD+を推進し、森林減少・劣化による温室効果ガスの排出削減を図るための仕組みとして、わが国では日本の技術等を提供することで、ホスト国における温室効果ガスの排出削減・吸収のための活動を実施し、その貢献分を日本の排出削減目標の達成に活用する二国間クレジット制度(JCM)を推進しています。JCMの推進に当たっては、気候変動枠組条約における合意事項との整合性や効率的なモニタリング技術の開発が求められます。

5.研究の目的

JCMでの民間の活動による排出削減量を気候変動枠組条約における合意事項等に基づき認められる国レベルの排出削減量の一部として適切に評価するための手法を開発し、JCMでの民間企業の参入を促進するため、途上国の実態を考慮した低コストかつ実践的な森林炭素変化量の計測技術や手法を開発することを目的とします。

6.研究内容

(1)地域又は準国レベルのREDD+活動による排出削減量を途上国の国全体の排出削減量の一部として適切に評価する手法の開発

(2)対象国の条件に即した排出削減量の計測手法の開発

ドローンによる森林調査を行っている様子

ドローンによる森林調査

7.得られた研究成果

(1)REDD+の推進のため、発展途上国のREDDプラスへの関心や削減ポテンシャル、二国間クレジット制度(JCM)に関する検討状況の他、森林生態系や社会的環境の違い、周辺国への波及効果などを総合的に勘案して、低コストかつ実践的な森林炭素変化量の計測技術や手法を開発しました。ペルー、ミャンマー、カンボジアを調査対象地とし、地域レベルでのモニタリングに必要な森林の区分、分類や検証用グランドトゥルースデータ数が排出削減量推定に必要となる森林の面積変化の推定に与える影響を調べ、地上調査の効率化のための調査手法を検討することにより、様々な環境条件下の森林において最適な排出削減量の計測手法を開発しました。

(2)JCMでの民間の活動を国レベルの関係性の中で評価するための手法を開発しました。REDD プラスプロジェクト活動により達成される排出削減の効果に対してクレジットを適切に配分するため、森林面積、森林炭素蓄積、森林面積変化、森林炭素蓄積変化を変数としてプロジェクトでの参照レベルを算出し、それらの比較から透明性が高く実行可能な配分方法を明らかにしました。具体的には、カンボジアを対象として、プロジェクト周辺地域の森林面積、森林タイプの構成比率、過去の森林減少傾向、人口密度といった立地条件の違いを考慮して、森林面積、森林炭素蓄積、それらの変化を変数とし、それぞれの変数を用いた場合の参照レベルの配分の特徴を整理しました。

(3)JCMにおいてREDD+を実施するために必要となるガイドライン等の文書を充実させました。REDD研究開発センターにおいて開発した「REDDプラス実施ガイドライン」を、有識者へのヒアリングを実施したうえで、コンセプトとクレジット化される排出削減量の位置づけを明確化することにより、改定しました。

8.研究成果の利活用

(1)ペルー政府によって、本課題で開発した様々な環境条件下の森林における計測手法が、衛星画像を用いた土地利用・森林炭素蓄積図の作成のために活用されています。

(2)カンボジア政府によって、本課題で開発した参照レベルの配分方法が、当該国でのREDD+のシステムの設計のために活用されています。

(3)作成したガイドラインの改訂版は、日本政府が推進するJCMのための二国間協議でガイドラインのベースとして活用されています。

9.研究論文

IWANAGA Seiji , YOKOTA Yasuhiro, HYAKUMURA Kimihiko (2017) Social Safeguards in National and Sub-national REDD+ Initiatives: A comparison based on literature review. JARQ-Japan Agricultural Research Quarterly, 51(1):31-43.

 

齋藤英樹 (2017) 大規模森林開発地判読のための道路網抽出. 森林総合研究所研究報告, 16(2):99-105

 

Yasumasa Hirata, Naoyuki Furuya, Hideki Saito, Chealy Pak, Chivin Leng, Heng Sokh, Vuthy Ma, Tsuyoshi Kajisa, Tetsuji Ota, Nobuya Mizoue (2018) Object-Based Mapping of Aboveground Biomass in Tropical Forests Using LiDAR and Very-High-Spatial-Resolution Satellite Data. Remote Sensing, 10(3): 48.

 

EHARA Makoto, HYAKUMURA Kimihiko, SATO Ren'ya, KUROSAWA Kiyoshi, ARAYA Kunio, SOKH Heng, KOHSAKA Ryo (2018) Addressing maladaptive coping strategies of local communities to changes in ecosystem service provisions using the DPSIR framework. Ecological Economics, 149:226-238.

 

Luis Alberto Vega Isuhuaylas, Yasumasa Hirata, Lenin Cruyff Ventura Santos (2018) Natural Forest Mapping in the Andes (Peru): A Comparison of the Performance of Machine-Learning Algorithms. Remote Sensing, 10(5): 782.

 

IMAI Nobuo, FURUKAWA Takuya, TSUJINO Riyou, KITAMURA Shumpei, YUMOTO Takakazu (2018) Factors affecting forest area change in Southeast Asia during 1980-2010. PLoS ONE, 13(5): e0197391

 

Tetsuya Michinaka (2018) Approximating Forest Resource Dynamics in Peninsular Malaysia Using Parametric and Nonparametric Models, and Its Implications for Establishing Forest Reference (Emission) Levels under REDD+. Land, 7(2):70.

 

Kazuki Miyamoto, Tamotsu Sato, Edgar Alexs Arana Olivos, Gabriel Clostre Orellana, Christian Marcel Rohner Stornaiuolo (2018) Variation in tree community composition and carbon stock under natural and human disturbances in Andean forests, Peru. Forests, 9(7): 390.

 

EHARA Makoto, SAMEJIMA Hiromitsu, YAMANOSHITA Makino, ASADA Yoko, SHOGAKI Yutaro, YANO Masato, HYAKUMURA Kimihiko (2019) REDD+ engagement types preferred by Japanese private firms: The challenges and opportunities in relation to private sector participation. Forest Policy and Economics, 106, 101945.

 

MICHNAKA Tetsuya, Ei Ei Swe Hlaing, Thaung Naing Oo, Myat Su Mon, SATO Tamotsu (2020) Forecasting forest areas in Myanmar based on socioeconomic factors. Forests, 11(1): 100.

 

 

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