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更新日:2019年2月26日

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REDD+推進民間活動支援に関する研究

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1.共同研究機関

カンボジア王国環境省自然保全・保護局、ミャンマー連邦共和国農林水産省森林局、ペルー共和国農林水産省森林野生生物局

2.研究期間

2015~2019年度 林野庁補助事業

3.責任者

平田 泰雅(研究ディレクター 気候変動研究担当)

4.研究の背景

REDD+の議論は、途上国における森林減少・森林劣化からの二酸化炭素の排出が、人間活動による温室効果ガス排出の約2割を占めているという気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書や、森林減少の抑制が低コストの気候変動の緩和策であるという英国財務省によるスターン報告などを契機として、急速に国際的な注目を集めるようになりました。また、最新のIPCC第5次評価報告書では、歴史的に気候変動の原因の1/3は森林減少などの土地利用変化であり、現在でも温室効果ガス排出の原因の1割を占めていることが強調されています。このため、国際社会が一丸となって、途上国における林減少・劣化の問題に取り組む必要があります。

REDD+を推進し、森林減少・劣化による温室効果ガスの排出削減を図るための仕組みとして、わが国では日本の技術等を提供することで、ホスト国における温室効果ガスの排出削減・吸収のための活動を実施し、その貢献分を日本の排出削減目標の達成に活用する二国間クレジット制度(JCM)を推進しています。JCMの推進に当たっては、気候変動枠組条約における合意事項との整合性や効率的なモニタリング技術の開発が求められます。

5.研究の目的

JCMでの民間の活動による排出削減量を気候変動枠組条約における合意事項等に基づき認められる国レベルの排出削減量の一部として適切に評価するための手法を開発し、JCMでの民間企業の参入を促進するため、途上国の実態を考慮した低コストかつ実践的な森林炭素変化量の計測技術や手法を開発することを目的とします。

6.研究内容

(1)地域又は準国レベルのREDD+活動による排出削減量を途上国の国全体の排出削減量の一部として適切に評価する手法の開発

(2)対象国の条件に即した排出削減量の計測手法の開発

ドローンによる森林調査を行っている様子

ドローンによる森林調査

7.期待される研究成果

(1)本事業により、途上国内の特定の地域又は州・県等の国に準ずる行政単位において、民間企業等がREDD+活動を実施する場合に、成果として得られた排出削減量を、気候変動枠組条約における合意事項等に基づき認められる途上国の国全体の排出削減量の一部として、適切に評価する手法が開発されます。

セーフガードの気候変動枠組条約への報告は国・準国レベルでの報告が要件ですが、プロジェクトレベルの細やかなセーフガードへの配慮が効果的であることから、本手法の開発はこのような理解の醸成に寄与します。また最近期待が高まっているプロジェクトレベルの非炭素便益にも着目し、地域の特性に基づく効果的な便益の保全、向上に有効な手法を明らかにすることによって、民間事業者のREDD+への関心を喚起する端緒となります。さらには、波及的に国際的社会貢献も期待できます。

JCMのREDD+活動による排出削減量を途上国の国全体の排出削減量の一部として適切に評価することが可能となり、その排出削減量を我が国の目標達成に利用することに貢献します。同時に、わが国とホスト国との間で決定するJCMガイドラインの作成を支援し、プロジェクトの実行可能性の向上にも寄与します。

(2)本事業で開発された計測手法によりJCMプロジェクトにおいて実施する地域レベルに適した排出削減量算定のための森林炭素変化量の計測手法の選択肢が示されます。そのためJCM実施主体は自然環境や社会環境など現地状況に応じて最適かつ低コストな組み合わせを選択することが可能となります。

本事業の成果となる計測手法とその設計手順が示されることにより、ホスト国の実務者や地元住民に対して、REDD+活動、特に森林炭素モニタリング分野への理解が深まる機会となり、地元住民を交えたモニタリングの実施が促進されることが期待されます。

8.研究論文

IWANAGA Seiji , YOKOTA Yasuhiro, HYAKUMURA Kimihiko (2017) Social Safeguards in National and Sub-national REDD+ Initiatives: A comparison based on literature review. JARQ-Japan Agricultural Research Quarterly, 51(1):31-43.

齋藤英樹 (2017) 大規模森林開発地判読のための道路網抽出. 森林総合研究所研究報告, 16(2):99-105

Yasumasa Hirata, Naoyuki Furuya, Hideki Saito, Chealy Pak, Chivin Leng, Heng Sokh, Vuthy Ma, Tsuyoshi Kajisa, Tetsuji Ota, Nobuya Mizoue (2018) Object-Based Mapping of Aboveground Biomass in Tropical Forests Using LiDAR and Very-High-Spatial-Resolution Satellite Data. Remote Sensing, 10(3): 48.

EHARA Makoto, HYAKUMURA Kimihiko, SATO Ren'ya, KUROSAWA Kiyoshi, ARAYA Kunio, SOKH Heng, KOHSAKA Ryo (2018) Addressing maladaptive coping strategies of local communities to changes in ecosystem service provisions using the DPSIR framework. Ecological Economics, 149:226-238.

Luis Alberto Vega Isuhuaylas, Yasumasa Hirata, Lenin Cruyff Ventura Santos (2018) Natural Forest Mapping in the Andes (Peru): A Comparison of the Performance of Machine-Learning Algorithms. Remote Sensing, 10(5): 782.

IMAI Nobuo, FURUKAWA Takuya, TSUJINO Riyou, KITAMURA Shumpei, YUMOTO Takakazu (2018) Factors affecting forest area change in Southeast Asia during 1980-2010. PLoS ONE, 13(5): e0197391

Tetsuya Michinaka (2018) Approximating Forest Resource Dynamics in Peninsular Malaysia Using Parametric and Nonparametric Models, and Its Implications for Establishing Forest Reference (Emission) Levels under REDD+. Land, 7(2):70.

Kazuki Miyamoto, Tamotsu Sato, Edgar Alexs Arana Olivos, Gabriel Clostre Orellana, Christian Marcel Rohner Stornaiuolo (2018) Variation in tree community composition and carbon stock under natural and human disturbances in Andean forests, Peru. Forests, 9(7): 390.

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