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更新日:2019年2月26日

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ボルネオ熱帯林における伐採インパクトの違いが細根現存量の回復に及ぼす影響

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1.共同研究機関

サバ州林業局森林研究センター

2.研究期間

2018~2021年度 科学研究費補助金

3.責任者

宮本 和樹(森林植生研究領域)

4.研究の背景

マレーシアなどの木材生産林の一部では、過去の無秩序な伐採により森林を荒廃させた反省から、持続可能な森林管理の実践的手法として低インパクト伐採が行われています。低インパクト伐採の効果については、これまで森林地上部を中心に研究されてきました。しかし、伐採の程度の違いが、森林地下部の現存量回復にどのような影響を及ぼすかという問題は、未解明なまま残されています。樹木の細根(ここでは、直径2mm以下のものをさします)は養分・水分の吸収を担うほか、活発に成長し生死を繰り返すことで森林地下部の成長や炭素循環に大きく影響しうる器官です。このことから、伐採の程度の違いが熱帯林の地下部現存量に及ぼす影響を解明するためには、細根現存量の回復プロセスに着目することが重要です。

5.研究の目的

本研究課題では、ボルネオの熱帯原生林、低インパクト伐採林、従来型(高インパクト)伐採林の3つを比較することで、伐採の程度の違いが細根現存量の回復時間に及ぼす影響とその要因を明らかにします。

6.研究内容

マレーシア・サバ州のMaliau Basin森林保護区の原生林と、その周辺地域で過去に伐採が行われた森林を対象に、熱帯原生林、低インパクト伐採林、従来型(高インパクト)伐採林という伐採の程度が異なる森林を比較するデザインで、以下のような項目を調べます。

(1)伐採の程度を評価する:林冠の撹乱、樹木サイズ分布、地上部現存量、地表面の撹乱、土壌養分に関する調査
(2)細根現存量の回復時間の推定:細根現存量と細根生産速度の調査

保護区周辺部の伐採が行われた森林では、2015年に低インパクト伐採が行われた場所と、2010年に従来型伐採が行われた場所を調査地として選定しました。現地の状況を確認したところ、低インパクト伐採の森林は、場所によって状況が異なるものの原生林の樹種が確認できました。従来型伐採の森林では、多くの個体につる植物が繁茂し、個体を覆っているため、生育が阻害されている場所が目立っていました。今後、これらの森林を対象に現地調査を進めていく予定です。

7.期待される研究成果

本研究課題で得られる成果に基づき、従来型伐採と低インパクト伐採が熱帯林の地上部および地下部へ及ぼす影響について、科学的根拠を示すことが可能となります。本研究課題で得られる成果を、共同研究機関であるサバ州林業局と共有し、同局が目指す持続可能な森林管理に貢献していきます。 

お問い合わせ

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