平成3年9月台風19号(「台風19号災害記録集」熊本市より)
台風19号は日本全国を暴風に巻き込み、その被害は1都1道2府39県に及び、特に九州、中国、東北の各地方には大きな被害をもたらした。全国で死者62人、負傷者1261人(平成3年11月7日現在、警視庁とりまとめによる)を出し、台風災害の死傷者としては、死者92人、負傷者174人を出した昭和57年(1982)の台風10号に匹敵するものである。 最大瞬間風速は熊本の阿蘇で60.9m/sという未曽有の強風を記録するなど、九州のほぼ全域で40から50m/sを超え、九州各地の気象官署(下関、萩、山口、飯塚、長崎、佐世保、熊本、阿蘇、牛深、人吉、日田)では、これまでの最大瞬間風速の記録を更新した。 また佐世保上陸時の中心気圧は940mbであり940mb以下の台風が上陸したのは昭和46年(1971)の台風23号(8月29日夜半ころ大隈半島の佐多岬付近に上陸、上陸直前の気圧は915mb、上陸後急速に衰えた)以来20年ぶりのことである。このため、下関、萩、山口、福岡、飯塚、佐賀、長崎、福江、平戸、佐世保などで最低気圧の記録を更新した。
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