ここから本文です。
所在地及び面積樹木園は、支所構内に位置し、丘陵地の狭い敷地のため斜面地も有効利用し設定している。下図に示すように、構内の最西端の正門から東方に順に樹木園A、B、C、およびDに区分して設置されている。 樹種数及び本数等樹高5m以上(中木以上)に育つ樹種に関して、それぞれの樹木園の針広・常緑落葉区分ごとの本数を下表に示す。
特徴当支所が昭和29年4月移転した当時は、実験林は無立木に等しい状態であった。平成18年9月時点(52年経過)では、当支所移転前からあったクスノキやサクラ類の数個体を除く高齢・大径木はなく、比較的若い個体で構成されていた。現在、さらに10年が経過し、いくつかの大径木がみられるようになった。しかしながら、平成27年の台風15号の影響で樹木園の歩道周辺を中心に多数の被害木が発生したため、これらを伐採処理し、安全の確保を図った。各樹木園は用地がほぼ東西に長く延び、小面積ごとに区分されているが、それぞれの園地ごとのテーマが設定されていないため、新樹種配置は雑多の感を否めないが、今回の処理を引き継いで各樹木園の特性に基づいた今後の整備を次期中長期期間で苗畑実験林運営委員会を中心に作成してくのが望ましい。 樹種の構成は、落葉広葉樹が62樹種90本と最も多く、スギ・マツ類などの常緑針葉樹は17樹種40本、メタセコイヤ・ラクウショウなどの落葉針葉樹が3樹種65本、常緑広葉樹が32樹種45本である。また、外国産の樹種は内数で25樹種103本と比較的多い。シイ・カシなどの郷土樹種はあまり多くないが、当地の気候に適した暖温帯性樹種が多い。これらのことから、当樹木園所在地の気候的特徴を適正に利用していることが特徴としてあげられる。 平成28年の熊本地震により、研究本館と共同特殊実験棟が特に大きな被害を受けた。研究本館の補修工事期間中、仮設事務所の設置が必要となり、そのスペースを確保するためにやむを得ず樹木園Cの林木を伐採した。仮設事務所撤去後、このスペースは共同特殊実験棟建て替えのための資材置き場として利用された樹木園Cは、復旧工事が完了した令和2年に「立田山にある木」をテーマに再造成された。 |
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.