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ホーム > 研究紹介 > 研究組織 > 山地防災研究グループ

更新日:2021年7月19日

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山地防災研究グループ

 

山地防災研究グループでは、温暖多雨地域における森林の環境維持機能及び防災機能を活かしつつ、山地で発生する災害を軽減するために、以下のような研究を行っています。

  • 森林における温室効果関連物質の吸収・排出過程の把握
  • 温暖多雨地域の森林からの水流出の長期的な変化の解析
  • 豪雨・地震・火山噴火による斜面災害発生要因の解明

 

二酸化炭素動態観測施設(熊本県山鹿市鹿北)の森林

気候変動影響の予測の向上に不可欠である森林における温室効果関連物質の吸収・排出を把握するため気象観測タワー(二酸化炭素動態観測施設)を用いて、九州の人工林において二酸化炭素フラックスの長期モニタリングを行っています。

また、気候形成に影響するエアロゾルの前段物質で温暖化に重要な役割を果たす植物起源揮発性有機ガス(BVOC)の全国モニタリングサイトの1つとしてBVOCを観測しています。

常緑林流域試験地量水観測地点
(カンボジア王国コンポントム州チニット川)

温暖多雨な九州・沖縄地域においては、河川の洪水や渇水などを緩和する森林の水保全機能(水源かん養機能+洪水防止機能)の実態解明が重要です。
そのため、去川森林理水試験地(宮崎市)および鹿北流域試験地(山鹿市)では、長期的な水文観測を継続するとともに、水の安定同位体比などを利用した森林内の水循環過程の研究を行っています。
さらに、海外研究としてカンボジアにおいて地球規模の気候変動が熱帯林流域の降水量・流出量に与える影響を調べています。

令和2年7月豪雨災害で発生した山腹崩壊地
(熊本県津奈木町)

九州は近年、豪雨、地震、火山噴火等による自然災害が多発している地域です。山地における自然災害発生時には、速やかに現地を調査し、森林における被害状況を分析して要因の解明を行い、被災地の復旧対策事業を支援しています。
また、森林の成長に伴う山腹崩壊危険箇所の変化を予測する手法を開発する等、森林の持つ減災機能に関する研究を行っています。

 

主なプロジェクト等

  • 気候変動への適応に向けた森林の水循環機能の高度発揮のための観測網・予測手法の構築(R1~R4)
  • 沖縄県における森林タイプ毎の環境・機能観測評価と森林分布現況把握(R1~R3)
  • 流木災害防止・被害軽減技術の開発(R1~R5)

等の研究課題を実施しています。