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九州育種場は、加齢等で樹勢が衰えた天然記念物や巨樹・名木などで保存する価値がある樹木を対象に、母樹と同一遺伝子をもつクローン苗を増殖し、後継樹として現地に里帰りさせる「林木遺伝子銀行110番」を行っています。
令和6年3月5日、熊本市立 力合小学校のシンボルツリー「トネリコ」の後継樹を里帰りさせましたので、増殖の経緯や里帰りの様子を紹介します。
熊本市立力合小学校のシンボルツリーである「トネリコ」は、大正14年(1925年)、同校児童の保護者が、卒業記念として学校に苗木を寄贈し、植栽されました。それから、90余年経ち、幹周り約3m、樹高は約14.3mと3階建ての校舎を超える大樹に育ちました。同校では、創立140周年を記念して作曲した「トネリコの歌」を、校内放送で毎日流すほど、親しまれてきました。児童のみならず、地域の方々も含め多くの人に大切に見守られてきましたが、樹幹の腐食により倒木する危険性があったため、令和3年11月にやむを得ず伐採されました。
九州育種場は、令和3年10月に同校から後継樹の増殖の要請を受け、当場の温室において、さし木増殖を行い、5本の苗木を育成しました。そのうち2本が令和6年3月5日に里帰りしました。里帰り当日は「トネリコの里帰りイベント」として、児童代表及び教職員の手により記念植樹され、全校生徒によりトネリコの歌が合唱されました。
2本の後継樹が力合小学校、さらには地域のシンボルツリーとして、大きく成育することを心から願っています。
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力合小学校シンボルツリー「トネリコ」(令和3年当時) |
譲渡式の様子(左から、力合小学校校長、九州育種場長) |
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各学年児童代表による記念植樹の様子 | 「トネリコの歌」を全校児童で合唱 |
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