林業の労働災害を減らすために

林業工学研究領域
伐採技術担当チーム長 上村 巧
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伐木造材積み込み機械の安全

林業機械の損傷事例をアンケートで調べました。回答のあった機械の種類はグラップル(70台:内グラップルソー7台)、プロセッサ (66台)、ハーベスタ(47台)、スイングヤーダ(28台)、フェラーバンチャ(4台)、その他(8台)でした。また、ベースマシンのタイプは、旋回時 に車体後部が履帯幅の10%を超えてはみ出さない「後方超小旋回」タイプの機械が全体の29.7%を占めており、残りは通常のタイプでした。

林業機械の損傷場所

運転席から見えにくい場所を中心に多くの損傷事例が発生していることがわかります。損傷を与えたものが何であったのかを次の図で示しま す。

損傷起因物

車体の後方や側面は残存立木や法面・構造物・岩のように相手が動かないものに、自ら衝突して損傷する、自損的な事例が多く見られます。 運転席の前側は作業機扱い材による損傷が多く見られます。十分な広さが確保できていない場所で、長い材を扱うという林業特有の作業環境がこのような結果に つながっていると考えられます。

衝突パターン

上図のように、長い材の扱いや、車体の旋回時に注意が必要です。

効果的なガードは下図のような保護範囲を持つものと言えます。

効果的な運転室ガード



上村巧・佐々木尚三・岡勝・木幡靖夫・松隈茂・加藤隆(2010)油圧ショベルをベースマシンとした林業機械の運転手保護対策.森林利 用学会誌25(3):147~154.