林業の労働災害を減らすために

林業工学研究領域
伐採技術担当チーム長 上村 巧
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フォワーダ作業におけるヒヤリ・ハット事例

フォワーダ(林内作業車を除く)による死亡災害を見ると平成15年から平成21年の間に6件発生しています。これらの災害要因や災害発生のパターンを明らかにするために事業体に対して調査を行いました。

止まらない

最も多かったのが「墜落・転落」に関する事例67件でした。 路面の状態が悪く、止まらない、横滑り、曲がらないといった事例が多く見られます。「墜落・転落」に関する事例には他に路肩が崩れる等の影響により転落しそうになる事例も含まれています。

不安定

次に多く見られたのが「転倒」に関する50件事例でした。過積載で車両が不安定なことに気づかずに走行し、勾配が変わる場所で急に車体の前が浮き上がることがあります。勾配の変わる場所の代表的なものが洗い越しで、荷崩れした事例が報告されています。「転倒」に関する事例にはグラップルで荷を積み込む際にバランスを崩しそうになる事例も含まれます。

激突

次 に多く見られたのが「激突され」に分類される事例23件でした。主に荷の積み下ろしの際に生じる、グラップルの誤操作が原因です。特にグラップルの回転操作を誤ると急な丸太の動きにつながります。また、荷の振れによる急接近や丸太を落として積んであった丸太が跳ね上がるという事例も見られました。

最初の2つに分類されるヒヤリ・ハット事例は過積載や過負荷によると考えられるものも多く見られます。フォワーダの性能に見合った作業を行うことが求められます。

※イラストのフォワーダは特定の機種を表すものではありません。


今冨裕樹・上村巧・加藤隆(2011)フォワーダ作業の災害要因と災害発生の類型化.森利学誌26(1):21~26.