小笠原諸島に侵入した外来種を管理するに当たっては、それらが現在、生態系の中でどんな位置を占めているのかを充分に見きわめなければなりません。むやみに外来種駆除を行うと、思わぬ悪影響が生じることがあります。本研究では、モクマオウ、グリーンアノール、ニューギニアヤリガタリクウズムシ、ノネコといった小笠原の代表的な外来種に関して、こうした観点からの基礎研究を行い、その管理戦略を示しました。この成果をもとに、小笠原世界自然遺産候補地科学委員会の委員等として活動し、林野庁、環境省、東京都、小笠原村などの保全対策の科学的支援を行うことで、世界自然遺産に向けた総合的な生態系管理と利用にも貢献しました。
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小笠原諸島の外来生物管理(森林総合研究所研究成果選集)(PDF)