四国地方におけるテーダマツとスラッシュマツの生長経過について(1)

樹高生長の分析と材積表の調製

吉田 実,都築和夫,佐竹和夫

   要旨

 本研究は,四国地方における外国マツの現地適応試験の一環 として生長,立地条件に関する資料の収集と分析,材積表の作成,および諸被害に対する抵抗性を 究明したものである。
 研究資料は高知営林局管内の3か所に植栽されたスラッシュマツと,うち2か所に植栽されたテー ダマツについて行った。
 まず,スラッシュマツ,テーダマツの幼齢時の樹高生長は,風衝地に位置するものの,風害によ る影響の大きいことが判明するとともに,それにもまして植栽地の地位の良否が樹高生長に太きく 影響していて,国内産のマツよりも,土地に対する要求度の強いことが判明した。
 つぎに,テーダマツ,スラッシュマツの材積と,アカマツ材積表の適合度の検定をおこなった結 果いずれも適合性の悪いことが分ったので,新たな材積表を樹種別に作成した。作成されたスラッ シュマツの材積表はアカマツ材積表より若干小さく,テーダマツ材積表はアカマツ材積表より若干 大きかった。
 さらに,被害については両樹種とも,風害,雪害にかかりやすいが,虫害,病害としては罹害の 現象は認められたが現在までのところ,被害はほとんど認められず,野そおよび野とによる食害や 寒害による被害も認められなかった。

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