高野 勲，宮崎 信，香山 彊
マツノザイセンチュウ（Bursaphelenchus lignicolus） によって枯死したアカマツ（Pinus densiflora）の，パルプ原料としての評価を日的として， クラフト法でパルプ化し，パルプ収率と強度特性の点から健全材との比較を行った。その際小径材 と大径材試料を用い，枯損材の経時的変化及び部位別特性について検討した。
小径材では枯死後6か月経過した材と健全材との間に有意差がなかった。枯死後1年経過した材は パルプ収率，パルプの強度的性質が低下した。材の部位間に有意差が認められたが，この有意差は枯 損材，健全材の両者にあり，マツノザイセンチュウによる組織破壊及び腐朽菌などの影響によるもの とは考えられない。大径材は，小径材と類似した傾向が認められたが，1年経過した材でも劣化は少 なかった。
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