(研究資料)

亜高山性針葉樹のタネの発芽

荒井國幸

   要旨

 亜高山地帯における更新技術に関する研究の一環として,亜高山 性針葉樹種の育苗技術のなかでもとくにタネの発芽促進に関連することがらについてしらべた。発芽 特性と冷処理効果について発芽温度・光条件・母樹・貯蔵期間と冷処理期間の関係を分析した。ウラ ジロモミ,シラベ,アオモリトドマツのタネの発芽には冷処理のききめが高く,とくに発芽温度が低 い場合の長期冷処理のききめが大きいことを確かめた。トウヒのタネの発芽には短期間冷処理と光照 射のききめが高く,とくにヤツガタケトウヒ,ヒメマツハダのタネでは長期間貯蔵されたタネに対す る冷処理効果が大きかった。母樹やタネの前処理方法の違いによって,発芽反応が異なる特性を示す ことを確かめた。

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