(研究資料)

九州地域におけるスギ,ヒノキ人工林の材種別収穫予測

森田栄一

   要旨

 これまでの林分動態に関する研究は,林分収穫表や林分密度管理図に見られるように,量的な 解析が主流を占めてきたといっても過言ではあるまい。これに対して,本研究は人工林の主要樹種であるスギ・ヒノキについて,木 材生産の本来のあるべき姿として量質両面からの視点に立った林分管理の方向について検討を試みたものである。
 その対象には,九州地域のスギ林・ヒノキ林を選び,異なる地位・本数管理・伐期における材種別の収穫予測が可能なプログラム を作成した。その内容は,まず,地位・管理履歴の異なる実在の個別林分を例として,このプログラムに組み込んだ 1. 任意の林 分の地位査定 2. 幹形の細り率の推定 3. 林況のちがいに対する直径階の範囲の推定 4. 枝下高の推定 5. 樹高曲線の推定 6. 枝下高曲線の推定等の方法及び数式の妥当性を検証した。次いで,九州地域の林分管理として望ましいと思われる施業タイプ を選び,樹種別(スギ,ヒノキ)・地位級別(1・2・3等地)に伐期別(40,50,60年)・採材長別(6m材・4m材)の材種別収穫予測 (小径材・柱材・中目材・大径材)における丸太玉数及び丸大材積を提示した。

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−森林総合研究所研究報告−
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