面材を釘打ちした耐力壁の座屈性状の線形及び非線形解析

神谷文夫

   要旨

 面材を釘打ちした耐力壁から上・下枠を除いた部分を,圧縮力に対する耐力壁要素とし,その座屈性状を 予測する線形解析と非線形解析を行った。実験から非線形解析は耐力壁要素のたわみと強度をよく予測すること,また,線形解析はみかけの 中立軸より面材と反対側にカを受ける場合に限ってある程度の予測が可能なことが分かった。枠組壁工法を想定した耐力壁要素の強度と縦枠 の強度とを比較する数値実験を行った結果,中心圧縮時の座屈強度は合板の厚さと釘間隔によって異なるが,耐カ壁要素の方が26〜56%高い こと,また,縦枠の中立軸に力を受ける場合,耐力壁要素は偏心圧縮となるが,それでも強度は耐力壁要素の方が13〜28%高いことなどが分 かった。

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−森林総合研究所研究報告−
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