ブナ磨砕リグニンのエポキシ樹脂包理及び薄切による紫外線顕微鏡分光

藤井智之

   要旨

 ポキシ樹脂の硬化剤の調合比を0.125%に減じて,これに粉体のプナ磨砕リグニン(MWL)を昇温しながら 撹拌することによって溶解した。MWL濃度の異なる試料を調製し,硬化後,切り出した薄切片を濃度の順に積層し,さらに,この積層方向に対し て直角方向に薄切片を0.5〜6.0μmの異なる厚さで作製した。これによって一定の厚さの切片内に濃度の異なる部分がストリップ状に並んだ試料 を調製した。これらの試料の紫外線吸収スペクトルを紫外線顕微分光装置で測定した。
 それらの紫外線吸収スペクトルはジオキサン溶液中で測定したMWLのそれとほぼ同じであったが,吸収極大はやや長波長側に移行した。紫外線 吸収は,MWL濃度及び切片の厚さが大となるにつれて直線的に増大した。しかし,吸光度が高くなる条件では直線からはずれ,吸光度は低くなる 傾向を示した。

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−森林総合研究所研究報告−
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