(研究資料)

アカマツ林及びコナラ林における落葉 落枝の分解と大型土壌動物の季節変動

松本久二,新島溪子

   要旨

 森林における落葉落枝の分解過程 を明らかにするために, BD(d)型土壌のアカマツ林及びBD 型土壊のコナラ林において,落葉落枝量,A0層堆積量,地温,含水率及び大型土壌動物の季節 変動について調査した。落葉落枝量はアカマツ林529g/u・年,コナラ林460g/u・年で,両林分とも秋に落下する量が最も多かった。 A0層の堆積量はアカマツ林1.38s/u,コナラ林0.82s/uで,冬に多く,夏に少ない傾向が見ら れた。A0層,0〜5p,5〜10p及び10〜15p層の含水率はそれぞれアカマツ林49.5%,26.3%, 22.4%,及び18.9%,コナラ林37.2%,23.8%,22.0%及び20.5%であった。地温はアカマツ林よりコナラ林の方が約1℃高い傾向が見ら れた。大型土壌動物の個体数は,アカマツ林669個体/u,コナラ林299個体/uで,両林分ともアリが最も多かった。現存量はアカマ ツ林1.29g(乾重)/u,コナラ林1.66g(乾重)/uで,両林分ともミミズの占める割合が最も大きかった。落葉落枝の分解率は,アカマツ 林0.382/年,コナラ林0.563/年で,コナラ林の方が分解が速い傾向が見られた。また,落枝よりも落葉の方が分解が速い傾向が見ら れた。

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−森林総合研究所研究報告−
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