ブルネイ混交フタバガキ二次林下のUltisolsの土壌分類とその養分環境(英文)

高橋正通,小林繁男,相澤州平,吉永秀一郎, JILLI Rosli Hj.

   摘要

 ブルネイ丘陵地の低地混交フタバガキ二次林の土壌を分類し,その物理化学性を 調べた。試験地の土壌は,Soil TaxonomyではTypic Paleudults(Typic Hapludults)と分類された。この土壌を土色と 斑紋により細分した。土壌の色調は一般に10YR(Y型)であるが,狭い頂部斜面ではしばしば7.5−5YRを呈した(R型)。 頂部及び上部谷壁斜面では灰色や赤色の鉄の斑紋がBt層(粘土集積層)下部(>50p)に多く認められ(D亜型),麓 部及び谷頭凹地では暗灰色の斑紋がE層(溶脱層)以下またはA層以下全層位で認められた(W亜型)。下部谷壁斜面の 斑紋の状態は中間的であった(M亜型)。M亜型の一部は表土が侵食され(Er型),渓流沿いにグライ土壌(G型)が分 布していた。RD,YD,YM,YW,Er及びGの土壌型が存在した。土壌の粘土含量は全層位を通し36%以下で砂質であった。断 面内の容積重,細孔隙,透水性,粘土含量は深さとともに増加した。A層のpHは平均4.5であった。窒素の無機化は全窒 素量に比例した。硝化活性は低かった。交換性陽イオン濃度は低く,有機物はA層に集積した。RD及びYD土壌の交換性Mg, k及び全窒素の蓄積量は表層土壌に多かったが,交換性CaとNaは下層に多く蓄積していた。二次林の養分の蓄積量は天然 林と変わらないと推定された。

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−森林総合研究所研究報告−
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