熱帯泥炭の堆肥化の予備的研究(英文)

小林繁男,落合幸仁,JILLI Rosli O.K.,WAHID Rosli Abd.

   摘要

 熱帯泥炭の有効利用としての堆肥化について検討した。ブルネイの泥炭 はpH3.5と強酸性を示し,含水率も500%以上と過飽和の状態にあった。また,無機態窒素やミネラルの含量が 乏しかった。この泥炭をライムでpH7.0に調節し,含水率を約70%に抑えると発熱発酵が促されることが認め られた。泥炭,鋸屑,リター,牧草を用いた堆肥を培地資材として植物検定した結果,トマトの初期成長は, 牧草>鋸宵>リター>泥炭>表層土の順で良かった。堆積期間が短く,いずれも未熟な堆肥であったが,後熟 による根腐れやクロロシスは認められなかった。湿潤熱帯では未熟な堆肥でも利用が可能であると考えられた が,泥炭の利用開発は地盤沈下などを伴うために注意する必要がある。

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−森林総合研究所研究報告−
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