プレスリリース
 

平成21年 2月24日

独立行政法人 森林総合研究所
 
「広葉樹林化への道−天然更新を考える−」
公開シンポジウム開催のお知らせ
 

 ポイント
  
  ・ 手入れ不足に陥っている人工林を広葉樹林へと誘導する技術開発研究の成果を紹介   

 
 
概要

  独立行政法人森林総合研究所と農林水産省農林水産技術会議事務局は、2月27日に公開シンポジウム「広葉樹林化への道−天然更新を考える−」を開催します。
  森林の持つ公益的機能のさらなる発揮のために多様な森林の育成手法の開発が求められており、そのひとつとして、手入れ不足に陥っている人工林を広葉樹林へと誘導する方法があります。森林総合研究所を中核とする研究グループでは平成19年度より森林生態系や樹木の持つ機能や能力を活用して、針葉樹人工林を広葉樹林へと誘導(更新)する技術開発研究を行っています。このシンポジウムでは、針葉樹人工林を広葉樹林に誘導するための適地の判定や更新の可能性を判断する基準について、これまでに開発した成果を発表します。

   予算:新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業
      (旧先端技術を活用した農林水産研究高度化事業)
      「広葉樹林化のための更新予測および誘導技術の開発(H19〜23)」

 

日 時: 2009年2月27日(金)13:00〜16:00 (受付12:40より)
会 場: 砂防会館 別館3階(東京都千代田区平河町2-7-5)
  地下鉄永田町駅(有楽町線・半蔵門線・南北線)4番出口から徒歩1分
プログラム: 別紙のチラシに掲載しています。
主 催: 独立行政法人森林総合研究所、農林水産省農林水産技術会議事務局
共 催: 財団法人林政総合調査研究所
参加費: 無料(準備の都合上、事前登録をお願いします)
URL: http://www2.ffpri.affrc.go.jp/labs/bl_pro_1/top.html
 
 
問い合わせ先など

 独立行政法人 森林総合研究所  理事長 鈴木 和夫
 研究推進責任者: 森林総合研究所 研究コーディネータ 駒木 貴彰
 研究担当者  :

森林総合研究所  森林植生研究領域長 田内 裕之
  Tel:029-829-8222(シンポジウム事務局)

 広報担当者  : 森林総合研究所 企画部 研究情報科長 中牟田 潔
  Tel:029-829-8130
  Fax:029-873-0844
 
 
研究開発の背景

  わが国の森林は、50年生以上の人工林の割合が急増する中で、社会からは、国土保全、水源のかん養、温暖化防止、生物多様性の保全など森林の持つ公益的機能のさらなる発揮が期待されています。国の施策である「森林・林業基本計画」においても、おもに手入れ不足になっている人工林を対象に、広葉樹林化や長伐期化等による多様な森林への誘導の推進が掲げられています。

 
研究の経緯及び目的

  本研究プロジェクト「広葉樹林化のための更新予測および誘導技術の開発」は、農林水産省の農林水産研究高度化事業として平成19年度から始まった研究です。その目的は、森林生態系や樹木の持つ機能や能力を活用して、針葉樹人工林を広葉樹林へと誘導(更新)する技術開発を行うものです。そこでは、(1)的確な誘導を行うため、適地の判定や更新の可能性を判断する基準の開発や、(2)誘導のための効果的な施業方法の開発を行い、さらに(3)広葉樹林への誘導が達成されたかどうかを将来にわたって検証するシステムの開発を行っています。また、これらを誘導技術として体系化し、広葉樹林化を図ろうとする現場で、林業技術者やNPO、およびボランティア団体の皆さんが使えるマニュアルを作成する予定です。

 
シンポジウムの内容

  本公開シンポジウムでは、研究開始から2年目を迎え、森林を伐採した後に天然更新が可能であるかどうかの判定基準作りに関係する研究成果を紹介します。
  講演は、過去の土地利用履歴から天然更新適地を判断する手法や更新の可能性が高い森林の特徴についての報告のほか、実際に現場で使えるような更新完了の基準を作る際の苦労話や、天然更新作業が行われた後、40年の追跡を行った実例報告などを行います。その後のフリーディスカッションでは「天然更新はどこまで期待できるのか」を主題として、参加者の皆様からの質問や意見も交え討論を行います。
  入場無料、入場や資料の準備のため、なるべく事前の申し込みをお願いします。
  E‐mail:bl_pro_admin@ffpri.affrc.go.jp

 
本研究の共同研究機関

   北海道立林業試験場、秋田県森林技術センター、山形県森林研究研修センター、新潟県森林研究所、山梨県森林総合研究所、長野県林業総合センター、三重県林業研究所、愛媛県農林水産研究所林業研究センター、福岡県森林林業技術センター、宮崎県林業技術センター、静岡大学、三重大学、東京農業大学、東北大学、(財)林政総合調査研究所

 

 


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