コンテナ苗生産の高度化

  • コンテナ苗生産の自動作業機械開発及び大量生産可能な生産施設を導入する。
  • 生産コストは従来裸苗と競争出来るレベルを達成する。
  • 新規コンテナを開発する。
  • 実生、挿し木苗の周年生産を可能にする。
  • スギ種子の発芽率50%以上を目指す。
  • コンテナ苗が植栽された造林地の立地条件や生育状況に関する多点情報を収集し、成績データ集を作成する。
  • 下刈り省略施業の適用条件を評価し、実証事例を提示する。

2-1 高品質コンテナ苗の低コスト生産技術の開発

機械・自動化による低コスト化の実証:コンテナ苗の大量生産及びコストダウンを実現するため、実際に実機レベルでコンテナ苗生産の自動作業装置を開発・導入し、実用性及び低コスト化を検証する。具体的には、コンテナへの培地の充填、種子添加、培地被覆、水分添加までの工程を自動化する装置を開発し、森林総研が開発したコストシミュレーションを元に検証する。

新規コンテナの開発:優れた根系の形成、作業性に優れた新規コンテナを開発する。コンテナ苗の品質にとって重要な要素である細根・側根の発達とコンテナ形態の関係を明らかにし、更に育苗作業の効率化を目的に開発し、その効果を検証する。

低コスト化・高品質化を実現する育苗技術の確立:施設利用型のコンテナ育苗において、苗の低コスト化、高品質化を実現するため、環境制御技術(温湿度、光等)、育苗管理技術(施肥、潅水等)を確立する。

2-2 効率的・高品質苗生産のための生理解析

スギ種子発芽率を実現するため、給水条件及び近赤外光を用いた高発芽率種子選別技術を開発する。苗木の光合成・水分生理及び細根発達条件の解析を行い、コンテナ等の高品質苗を確保するための、基礎的な情報を得る。

2-3 コンテナ苗植栽の事例解析とデータ集の作成

コンテナ苗植栽試験地での成長量調査を実施するとともに、林業現場での植栽箇所について、使用されたコンテナの容量や種類、植栽時期等に加え、植栽地の立地条件と植栽後の生育に関する情報を網羅的収集し、これらの情報を解析して取りまとめ、データ集 を作成する。

2-4 下刈省略施業の適用条件の評価と実証事例の提示

コンテナ苗を利用したあらたな更新作業システムの導入と併せて、低コスト化の実現に不可欠な下刈り回数削減について、適用可能な条件を評価する。このため、造林木の幼齢時の成長特性ならびに再生植生の発達状況と立地条件との関係を解析するとともに、下刈回数を省略した複数の実証試験地での事例を提示する。