森林生物 コアシナガバチ


和名:コアシナガバチ
学名:Polistes snelleni
    ハチ目,スズメバチ科
分布:北海道,本州,四国,九州
 
写真(上):コアシナガ成虫(左雌,右雄)
写真(下):コアシナガバチ巣(左)と巣房内のハチノスヤドリコバチ(右)
コアシナガ成虫(左雌,右雄)
説明
体長は約11〜17mm。体色は黒色で赤褐色と黄色の斑紋がある。和名の通り日本産のアシナガバチ属(Polistes)の中では最も小型の種であるが,攻撃性はやや強い。近似種のキボシアシナガバチとは腹部第3,4節に黄紋があることで区別できる。また,キボシアシナガバチでは繭のふたが鮮やかな黄色であるのに対して,本種の繭のふたは白色である。巣は巣柄を基点として一方向に伸長し,大型巣では大きく上向きに反り返る。日当たりの良い岩場や樹木の細枝,人家の軒や板壁に営巣する。営巣開始は5月頃。最初の働きバチは7月ころ出現し,8〜9月にオスや新女王が出現する。ただし最初の働きバチに混じってオスが出ることもあり,これが他巣の働きバチと交尾することもあるらしい。幼虫の餌として主に鱗翅類の幼虫を狩る。巣の規模はかなり大きく,本州での最大記録は約500育室。最盛期の働きバチ数は,本州以南では約50匹であるが,北海道では約20匹にとどまる
コアシナガバチ巣(左)と巣房内のハチノスヤドリコバチ(右)

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