森林生物 ブナさび病
和名:
ブナさび病
学名:
(病原菌)
Pucciniastrum fagi
Yamada ex Hiratsuka, f.
分布:
北海道,本州,四国,九州
写真(上):
ブナの葉裏に形成された夏胞子堆
写真(下):
中間宿主のツガの新葉に形成されたさび胞子堆
説明
6月頃からブナの葉裏に黄色の病斑が現れ,病斑の上に黄色の粉(さび胞子)が盛んに形成される。秋には病斑は黄褐色になり,わずかに膨らんだ表皮下に越冬用の冬胞子が形成される。本菌は中間宿主をもち,ブナ落葉上の冬胞子が春に担子胞子を形成し,ツガ,コメツガの新葉に感染してのう(嚢)状のさび胞子堆を形成する。中のさび胞子は2週間ぐらいの内に再びブナの葉に感染する。そのため,ブナ林に近接してツガ属が存在する場合にはこの病気が頻繁に見られる。日本のみに分布することが知られている病原菌である。
森林総合研究所
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