森林生物 ハリナガムネボソアリ


和名:ハリナガムネボソアリ
学名:Leptothorax spinosior Forel
    ハチ目 アリ科Formicidae
分布:北海道,本州,四国,九州,対馬,屋久島
 
写真(上):ハリナガムネボソアリの大型女王(左)と小型女王(右)
写真(下):ハリナガムネボソアリ働きアリ
ハリナガムネボソアリの大型女王(左)と小型女王(右)
説明
体長2ミリほどの黒色のアリで,河原,草地,林縁などの比較的開けた場所に住む。土中や地面に落ちた枯れ枝の中に営巣し,コロニーサイズは平均20〜30匹程度。益虫や害虫としては目立ったところがないが,一部の個体群で女王に体サイズ二型(大型女王と小型女王)が見られ,アリの生活様式の多様性を研究する上で興味深い。6月頃巣の外で交尾した後,大型新女王は新しい巣場所を見つけて一匹で巣作りを行うのに対し,小型新女王は母巣に出戻ってくる(全ての小型女王が出戻るのか,一部の小型女王は大型女王のように一匹で巣をつくるのかは不明)。このため,大型女王の巣では女王は一匹しかいないが,小型女王の巣では女王が2匹以上いる場合が多い。なぜ同じ個体群の中に大型女王タイプと小型女王タイプが共存しているのか,大型になるか小型になるかを決めているのが栄養条件などの環境要因なのか遺伝的要因なのか等はまだわかっていない。
ハリナガムネボソアリ働きアリ

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