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更新日:2022年8月10日

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スギのバイオ苗について

組織培養と呼ばれるバイオテクノロジーにより作られたスギの苗(ここでは、スギバイオ苗と呼びます)を、小瓶の中にあしらいました。ビンの中で苗がゆっくり成長しますので、ぜひお手元に置いてスギを愛でていただけたらと思います。

スギバイオ苗の写真

スギバイオ苗の楽しみ方

  • スギバイオ苗は、密閉されたビンの中で半年~数年間育てることができます。
  • ビンの中は無菌状態となっていますので、鑑賞中は決して蓋を開けないでください。培地にカビが生えてしまいます。
  • 室内の明るい場所においてください。高温や直射日光の当たる場所は避けてください。
  • 培地は食べ物ではありません。
  • 枯死したりして廃棄される際、中身の苗と培地は燃えるゴミに。ビンはジャム瓶です。自治体の指示に従ってください。
  • 培養ビンの中いっぱいに育ったスギ苗をどうしても野外で育てたいという場合、順化と呼ばれる操作が必要です。

スギバイオ苗ができるまで

スギの未熟球果を培地の上で培養すると、カルス状の“不定胚形成細胞”と呼ばれる細胞塊ができることがあります。この不定胚形成細胞を“不定胚”へと成熟させます。不定胚は種子の中の胚と同じように、発芽・発根する能力を持っており、植物体へと再生することができます。スギバイオ苗のスギは、このような手法でスギ精鋭樹の未熟球果を組織培養することで作られています。スギバイオ苗ができるまで

スギ組織培養苗の順化手順

培養ビンの中いっぱいに育ったスギ苗をどうしても野外で育てたいという場合、外の環境に苗を徐々に慣らしていく操作(“外気順化”または単に“順化”といいます)が必要です。順化は必ずしも成功するわけではありません。密閉された培養ビンの中は、栄養状態・無菌・高湿度など、かなり特殊な環境です。培養苗は、初めから外の環境で育った実生苗と違いもやしっこですので、ゆっくりゆっくり外の環境に慣らしてあげてください。順化手順詳細

スギバイオ苗事務局

樹木分子遺伝研究領域: 丸山毅・上野真義・鶴田燃海・依岡亜沙美

参考文献など

スギバイオ苗ができるまで

  1. 7月中旬にスギの球果を採取します。
  2. 球果の中から未熟な種子を取り出し、種子の中から未熟な胚と胚乳を取り出します。
  3. 培地に静置しておくと、カルス(未分化の細胞の集まり)ができてきます。
  4. この中から、不定胚を形成する能力のある細胞(不定胚形成細胞)を増殖させます。
  5. 不定胚へと成熟させます。不定胚は種子の胚と同様に、発芽・発根する能力があります。
  6. 不定胚が発芽して。植物体が再生してきます。
  7. 培養容器に移して、バイオ苗の完成です。

スギ組織培養苗の順化手順

  1. 苗をビンから取り出し、根に着いた寒天をよく洗い落とします。
  2. 鉢やプラスチックポット(底に穴の開いたもの)に移植します。土はできれば滅菌されたものが良い(市販のバーミキュライトや水苔で大丈夫です)。土はしっかり吸水させてください。
  3. 密閉できる容器(フタは透明)に鉢を入れ、容器の底に少し水を入れておきます。フタ付きの洗い物の水切りカゴ(フタの代わりにラップでも可)または、ビニール袋を使うこともできます。
  4. 鉢を少し薄暗い室内に置き、フタを完全に閉めた状態で2週間ほど生育させます。直射日光が当たる場所、蛍光灯の直下、高温は避けてください。
  5. フタを少しずつ開け(ビニール袋の場合は穴を開けていく)、外気条件に徐々に慣らします。これ以降、土が乾かないよう、適宜灌水してください。
  6. 移植から4週間後、フタを完全に外します(外気順化完了!)。
  7. 外気順化後、4週間~2ヶ月ほど、苗を直射日光の当たらない明るい環境で育てます。水は優しく散水、肥料は月に1~2回程度あげてください。

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