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更新日:2023年4月1日

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樹木分子遺伝研究領域

樹木分子遺伝研究領域では、日本の主要樹種のゲノム塩基配列や生体分子の代謝機能を解析し、その情報を公開しています。

研究員

【樹木分子遺伝研究領域】

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永光 輝義 外部リンク用アイコン(領域長)

生態学、集団遺伝学、系統地理学、保全生物学

丸山 毅 外部リンク用アイコン(研究専門員)

遺伝資源保存、マイクロプロパゲーション、不定胚形成、組織培養、バイオテクノロジー

細井 佳久 外部リンク用アイコン(研究専門員)

木本植物、無菌培養

横田 智 外部リンク用アイコン(併任)

塩ストレス、組織培養、アカシア、サクラ

【針葉樹ゲノム担当チーム】

 

上野 真義 外部リンク用アイコン(チーム長)

ゲノム、トランスクリプトーム、遺伝的多様性、雄性不稔

【樹木代謝成分担当チーム】  

伊ヶ﨑 知弘 外部リンク用アイコン(チーム長)

成長制御、生殖制御
【樹木遺伝研究室】  

内山 憲太郎 外部リンク用アイコン(室長)

環境適応、アソシエーション解析、系統地理、ゲノミクス

長谷川 陽一 外部リンク用アイコン(主任研究員)

森林遺伝、森林分子生態、樹木繁殖生態、花粉DNA分析

伊津野 彩子 外部リンク用アイコン(主任研究員)

集団ゲノミクス、環境適応、遺伝的多様性

今井 亮介 外部リンク用アイコン(主任研究員)

交配様式、植物ゲノム

【生態遺伝研究室】

 

伊原 徳子 外部リンク用アイコン(室長)

森林遺伝、樹木ゲノム、環境適応

鈴木 節子 外部リンク用アイコン(主任研究員)

保全生態学、森林遺伝学、島嶼生態学

Worth James Raymond Peter 外部リンク用アイコン(主任研究員)

生物地理学、遺伝的多様性、森林、気候変動

森 英樹 外部リンク用アイコン(研究員)

森林遺伝学、森林生態学、環境適応
【樹木分子生物研究室】  

西口 満 外部リンク用アイコン(室長)

樹木、分子生物、遺伝子組換え

宮澤 真一 外部リンク用アイコン(主任研究員)

針葉樹、光合成、代謝、窒素

鶴田 燃海 外部リンク用アイコン(主任研究員)

雑種不和合、発現解析、繁殖生態

【ストレス応答研究室】

 

毛利 武 外部リンク用アイコン(室長)

遺伝子組換え、形質転換、ストレス耐性、組織培養

田原 恒 外部リンク用アイコン(主任研究員)

ストレス耐性、二次代謝

山溝 千尋 外部リンク用アイコン(任期付研究員)

代謝機構、二次代謝産物、ストレス耐性

 

樹木遺伝研究室
 スギクローン苗再生の初期過程で発現する遺伝子を明らかにした

葉、茎、根に再生する能力を有する組織である不定胚の写真
写真:同じ系統のスギから誘導した胚性万能細胞(不定胚)。

 

生態遺伝研究室
 つる植物のクローンによる広がり方とそのスピードは種によって異なる

 

つる植物による2種類のクローン成長様式のイラスト
図:つる植物による2種類のクローン成長様式のイラスト。
図の出典:Mori, H., Ueno, S., Kamijo, T., Tsumura, Y., & Masaki, T. Interspecific variation in clonality in temperate lianas revealed by genetic analysis: Do clonal proliferation processes differ among lianas? Plant Species Biology.DOI: 10.1111/1442-1984.12348(外部サイトへリンク)

 

樹木分子生物研究室
 無花粉スギの苗木だけを量産する革新的技術を開発 ―DNA鑑定と組織培養で花粉症対策に貢献―

左、一般的な生産方法と、右、今回開発した方法を示す図。
図1. 無花粉スギ実生苗生産の一般的な方法(左)と今回開発した方法(右)
 

高配で得た未熟な種子を利用し、無花粉スギ増殖までの画像
図2. 未熟種子組織からの無花粉スギの増殖
 

A:無花粉スギになるカルス、B:DNA抽出試薬の中に入れて煮沸、C:電気泳動で分析、D:カルス判別の4つの画像
図3. DNA鑑定による無花粉スギ系統の判別
 

ストレス応答研究室
 ユーカリの樹体内でアルミニウム無毒化タンニンの材料を合成する酵素を解析

アルミニウム過剰害に非常に強く、酸性の土壌でも旺盛に育つユーカリの写真
図1:ユーカリは、有毒なアルミニウムを多く含む酸性の土壌でも旺盛に成長します。

 

没食子酸からアルミニウム無毒化タンニンが作られます。
図2:ユーカリで没食子酸を合成する酵素(EcDQD/SDH2とEcDQD/SDH3)を特定しました。

 

合成酵素(EcDQD/SDH2:細線)に3-デヒドロシキミ酸(黄色太線)が結合し、補酵素(NADP+:灰色太線)の働きにより没食子酸に変換されます。
図3:没食子酸合成酵素の予測立体構造。

 Springerからの許可を得て、記載論文の図を一部改変して使用しました。

研究内容

  • 気候変動緩和・適応のための多様な森林機能の活用(基幹課題1アb)
  • 生態系からみた森林の生物多様性に関する研究開発(基幹課題1イa)
  • 生物機能からみた森林の生物多様性に関する研究開発(基幹課題1イb)
  • 森林の生物多様性の保全と持続可能な利用に関する研究開発(基幹課題1イc)

主なプロジェクト

  • スギの基盤遺伝情報の高精度化と有用遺伝子の機能解明(R1~R4交プロ)
  • Genetic integrity and potential of cold climate forest southern edge populations in Japan(R1~R4科研費)
  • 針葉樹の炭素固定量予測モデルの精緻化に向けた光呼吸代謝の解明(R1~R4、科研費)
  • 汎用性および実用性を高める新たな樹木ゲノム編集技術の確立(R2~R5、科研費)
  • 環境適応遺伝変異の空間モデリングによる主要高木種11種の将来気候下でのリスク評価(R3~R5、科研費)
  • 液体培養技術による無花粉スギ苗の迅速効率的な生産法の確立(R3~R7、科研費)
  • ゲノム編集ユーカリを用いた加水分解性タンニン生合成遺伝子の同定(R4~R7、科研費)