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更新日:2021年4月1日

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樹木分子遺伝研究領域

樹木分子遺伝研究領域では、樹木が有する様々な機能を遺伝分子生物学や生理生態学などの観点から解明するとともに、それらの機能を有効活用した環境保全技術、花粉生産の抑制に寄与する不稔性遺伝子等の有用遺伝子利用技術の開発を行っています。

研究員

【樹木分子遺伝研究領域】

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永光 輝義 外部リンク用アイコン(領域長)

生態学、集団遺伝学、系統地理学、保全生物学

丸山 毅 外部リンク用アイコン(研究専門員)

遺伝資源保存、マイクロプロパゲーション、不定胚形成、組織培養、バイオテクノロジー

横田 智 外部リンク用アイコン(併任)

塩ストレス、組織培養、アカシア、サクラ

【針葉樹ゲノム担当チーム】

 

上野 真義 外部リンク用アイコン(チーム長)

ゲノム、トランスクリプトーム、遺伝的多様性、雄性不稔

【分化制御担当チーム】  

細井 佳久 外部リンク用アイコン(チーム長)

木本植物、無菌培養
【樹木遺伝研究室】  

内山 憲太郎 外部リンク用アイコン(室長)

環境適応、アソシエーション解析、系統地理、ゲノミクス

長谷川 陽一 外部リンク用アイコン(主任研究員)

森林遺伝、森林分子生態、樹木繁殖生態、花粉DNA分析

伊津野 彩子 外部リンク用アイコン(研究員)

集団ゲノミクス、環境適応、遺伝的多様性

【生態遺伝研究室】

 

伊原 徳子 外部リンク用アイコン(室長)

森林遺伝、樹木ゲノム、環境適応

鈴木 節子 外部リンク用アイコン(主任研究員)

保全生態学、森林遺伝学、島嶼生態学

Worth James Raymond Peter 外部リンク用アイコン(主任研究員)

生物地理学、遺伝的多様性、森林、気候変動

森 英樹 外部リンク用アイコン(研究員)

森林遺伝学、森林生態学、環境適応

島田 健一(併任)

 
【樹木分子生物研究室】  

西口 満 外部リンク用アイコン(室長)

樹木、分子生物、遺伝子組換え

宮澤 真一 外部リンク用アイコン(主任研究員)

針葉樹、光合成、代謝、窒素

伊ヶ﨑 知弘 外部リンク用アイコン(併任)

成長制御、生殖制御

【ストレス応答研究室】

 

毛利 武 外部リンク用アイコン(室長)

遺伝子組換え、形質転換、ストレス耐性、組織培養

田原 恒 外部リンク用アイコン(主任研究員)

ストレス耐性、二次代謝

小田 千尋 外部リンク用アイコン(任期付研究員)

代謝機構、二次代謝産物、ストレス耐性

 

 写真1:全国のスギ天然林集団の遺伝的関係と由来推定

全国のスギ天然林集団の遺伝的関係と由来推定

ゲノム情報から開発したDNAマーカーを用いてスギ天然林の遺伝的な関係を調べた結果、スギは大きく日本海側、太平洋側、屋久島でそれぞれグループ化されることが明らかになりました。この結果を参照して、由来不明のスギ集団X1とX2を調査したところ、いずれも屋久島集団に近く、この集団は屋久島由来の可能性が高いことが示唆されました。このように、ゲノム情報を利用した集団遺伝学的解析により、スギの由来推定が可能になっています。

 

写真2:オオバシマムラサキ 写真3:ウラジロコムラサキ

オオバシマムラサキ(左)とウラジロコムラサキ(右)
小笠原諸島において、オオバシマムラサキとウラジロコムラサキは生育環境に応じて分かれた近縁種です。このような環境に対する適応がどのように生じているのか、遺伝的・生態的背景を研究しています。

写真4:初冬のシラベ・コメツガ林(長野県)

初冬のシラベ・コメツガ林(長野県)
冷温帯林に生えるコメツガなどの樹木に将来的な地球温暖化がどう影響するかについて、核や葉緑体のDNAを使って、過去の分布の変遷や現存する集団の遺伝的な違いなどを明らかにすることから研究しています。

写真5:樹木の成長制御に関する研究(A)

樹木の成長制御に関する研究(A)
A:左3個体は野生型、右3個体は成長関連遺伝子を強く働かせた組換えポプラです。地上部の成長が早くなったのがわかります。

写真6:樹木の花成制御に関する研究(B)

樹木の花成制御に関する研究(B)
B:通常は約10年で、高さが15m程度に成長すると花が咲きますが(上段)、花成に関する組換えポプラでは、樹齢(数カ月)や木の高さ(10cm以下)に関係なく花が咲きます(下段)。

写真7:樹木の炭素/窒素代謝メカニズムの解明

樹木の炭素/窒素代謝メカニズムの解明
巨大な炭素(C)貯蔵器官をもつ樹木は、温室効果ガスであるCO2の削減にも役立つはずです。CO2は土壌から吸収される窒素(N)とともに代謝され、セルロースやリグニンなど木材を形成する物質に変換されます。樹木のCとNの代謝メカニズムを分子レベルから研究しています。

写真8:ユーカリの根から単離・同定した新規アルミニウム無毒化物質

ユーカリの根から単離・同定した新規アルミニウム無毒化物質
世界の陸地は、熱帯・亜熱帯を中心に約3割が強酸性土壌で覆われています。強酸性土壌では、土壌を構成している粒子から、有毒なアルミニウムが溶け出してきます。そのため、植物は根を伸ばすことができず、枯死したり、成長が阻害されたりします。しかし、オーストラリア産樹木のユーカリ(Eucalyptus camaldulensis)は、強酸性土壌でも育つことができ、高濃度のアルミニウムにも耐えられます。我々は、強酸性土壌の緑化に資するため、そのアルミニウム耐性機構を研究しています。

写真9:スギ単一細胞からの植物体再分化

A-B:顕微鏡下、マイクロマニピュレーターによる単一細胞(プロトプラスト)の選抜、培地への移植。
C:培地中で分裂増殖し、不定胚形成途中の培養細胞。D:不定胚を経て再生したスギ植物体。

スギ単一細胞からの植物体再分化
基盤研究や技術開発のため、樹木の細胞培養及び植物体再生系の確立に関する研究を行っています。

 

研究内容

  • 主要樹種の遺伝的多様性、遺伝的構造及び適応・進化過程等の解明に関する研究(基幹課題エアa、アウa、イアb)
  • 有用遺伝子の機能解明及びゲノム情報を利用した遺伝子マーカーの開発(基幹課題エアa)
  • 遺伝子の利用技術及び有用形質の選抜技術の高度化(基幹課題エアa)
  • 樹木の環境ストレス応答機構の解明に関する研究(基幹課題エアa)
  • 樹木の成長・花成及び窒素代謝等に関する制御機構の解明(基幹課題エアa)
  • 樹木の細胞培養及び植物体再生系の確立に関する研究(基幹課題エアa)

主なプロジェクト

  • 海洋島における開花時期の表現型可塑性が促進する生態的種分化の解明(H27~R1科研費)
  • フォッサマグナ地域における交雑帯がミツバツツジ類の種分化に及ぼす意義(H28~R1科研費)
  • ヒノキ栄養組織由来シングルセルからの効率的なクローン増殖技術の開発(H29~R1科研費)
  • 樹木のゲノム編集とその生物学的影響の解明-ポプラの花芽形成を標的として-(H29~R1科研費)
  • 生殖細胞に生じる放射線影響の遺伝的評価(H30~R2政府等外受託)
  • 生体防御物質から明らかにするスギの環境適応と自然選択(H30~R2科研費)
  • ゲノムに残されたデモグラフィー情報の比較解析で探る生物多様性の環境変動応答(H30~R2科研費)
  • 比較ゲノム解析による主要ヒノキ科樹種のゲノム構造の解明(H30~R2科研費)
  • タンニンの網羅的解析と遺伝子組換えによるユーカリの新規アルミニウム耐性機構の解明(H30~R3科研費)
  • 成長に優れた無花粉スギ苗を短期間で作出・普及する技術の開発(R1~R3政府等外受託)
  • Genetic integrity and potential of cold climate forest southern edge populations in Japan(R1~R4科研費)
  • 裸子植物・針葉樹における新たなCO2固定モデルの構築(H29~R1交プロ)
  • スギの基盤遺伝情報の高精度化と有用遺伝子の機能解明(R1~R4交プロ)