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アカエゾマツの旧葉は新葉の展開直前に低温害を受けやすい

2004年11月2日掲載

論文名 Increased susceptibility to photoinhibition in pre-existing needle experience low temperature at spring budbreak in Sakhalin spruce (Picea glehnii) seedlings(開葉期にアカエゾマツの前年葉で低温下における光阻害感受性が増加する)
著者(所属) 北尾 光俊(北海道支所)、Laiye Qu(北海道大学)、小池 孝良(北海道大学)、飛田 博順(北海道支所)、丸山 温(北海道支所)
掲載誌 Physiologia Plantarum(植物生理、デンマーク)、122巻2号、2004年10月
内容紹介  北海道に一般的なアカエゾマツでは当年葉(新葉)展開直前の前年葉(旧葉)に低温 障害が発生する。そこで、その機構を解明するため、低温でアカエゾマツ旧葉に起こる光合成機能の変化をみた。すると、旧葉の光合成機能の低下がみられた。これは、新葉を開くために春先に旧葉に貯め込まれる炭水化物によって、光合成のために旧葉が吸収した光エネルギーを消費できない状態(光阻害感受性増加;消費されなかった光エネルギーによる自家中毒状態)となる。これに、低温による光合成の抑制が加わる。すると、一層光エネルギーが使えない状態に陥いる。こうした光合成機能の低下が、春先に旧葉が低温の害を受けやすくなる理由と考えられた。

 

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