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雑木林のササの刈り取りはゴミムシ類の種多様性を高めるか

2005年5月16日掲載

論文名 森林総合研究所多摩試験地および東京都立桜ヶ丘公園のゴミムシ類群集と林床植生の管理
著者(所属) 松本 和馬(多摩森林科学園)
掲載誌 環境動物昆虫学会誌、16巻1号、2005年4月
内容紹介  管理されなくなってササが繁茂している雑木林が里山に増え、生物の多様性が低下しているので、ササを刈り取るべきだとする意見が多い。林床性草本についてはその正しさが確かめられているが、昆虫についてはササを刈り取った現場で実際にそれを調査した例はない。生物多様性の評価に標準的に用いられているゴミムシ類で調査したところ、林床のササを刈って管理している雑木林よりも、ササが繁茂した林の方が、種数が多く、群集の種多様度は高いことがわかった。 これから、里山の生物的多様性の維持には画一的ではなく、ササを刈り取った林床と、ササを残した林床の併存が必要と考えられる。

 

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