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2005年8月5日掲載
論文名 | A soil seed bank in a mature conifer plantation and establishment of seedlings after clear-cutting in southwest Japan (成熟した針葉樹人工林の埋土種子組成と伐採後の実生発生) |
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著者(所属) | 酒井 敦、佐藤 重穂、酒井 武、倉本 惠生(四国支所)、田淵 隆一(多摩森林科学園) |
掲載誌 | Journal of Forest Research(日本森林学会、日本)、10巻4号、2005年8月 |
内容紹介 | 成熟した針葉樹人工林の埋土種子相を把握し、その役割を評価するため、高知県内の75年生スギ・ヒノキ人工林を調査した。35個の土壌サンプル(1サンプルは30cm×20cm×深さ5cm)から67種、m2当たり1064個の種子が見つかった。種子の構成種は先駆樹種や草本種が多くを占め、総種数は常緑広葉樹林などの自然林よりも多かった。調査林分は広葉樹二次林に隣接していたため豊富な種子供給を受けていたと推測された。その林地で伐採1年目に実生調査したところ、種子が確認された種はほぼすべて発芽しており、埋土種子数が多い種よりも、伐採後の発芽率や成長の速い種(アカメガシワやベニバナボロギク)が優占していた。成熟した針葉樹人工林は条件により豊富な埋土種子相を持つことが明らかとなり、伐採後の地表被覆に貢献していることが実証された。 |
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