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過去の土地利用が現在の森林を形作る仕組みを解読

2006年1月5日掲載

論文名 Reciprocal distribution of two congeneric trees, Betula platyphylla var. japonica and Betula maximowicziana, in a landscape dominated by anthropogenic disturbances in northeastern Japan (人為撹乱が優占する北日本の景観における二種の同属種シラカンバとウダイカンバの交互的な分布について)
著者(所属) 大住 克博(関西支所)
掲載誌 Journal of Biogeography(生物地理雑誌、英国)、32巻12号、2005年12月
内容紹介  近縁種であるシラカンバとウダイカンバの同じ地域内における分布パターンを調べた。両種は草地周辺、天然林伐採跡地に分かれて生育することが見出され、放牧地や天然林といった土地利用履歴に対応しているものと考えられた。これは火入れなどで頻繁に撹乱される草地周辺では繁殖開始齢が若いシラカンバが有利に生き残り、植生が安定し長い間隔を置いて更新機会が訪れる天然林では寿命の長いウダイカンバが有利に生き残った結果であると推測された。この研究により、二次的な景観での樹木種分布が、土地利用の影響と種特性の組み合わせで説明できる可能性が示され、人の活動が森林植生を規定する仕組みの解明が進んだ。

 

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