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絶滅危惧種シデコブシの遺伝的多様性と分化を解明 -保全への応用に期待-

2006年1月16日掲載

論文名 Genetic diversity and differentiation of the endangered Japanese endemic tree Magnolia stellata using nuclear and chloroplast microsatellite markers(絶滅が危惧される日本固有種シデコブシの遺伝的多様性と分化 -核と葉緑体のマイクロサテライトマーカーを用いて-)
著者(所属) 上野 真義(森林遺伝研究領域)、鈴木 節子(名古屋大学)、河原 孝行(北海道支所)、吉丸 博志(森林遺伝研究領域)
掲載誌 Conservation Genetics(保全遺伝学、ドイツ)、6巻4号、2005年7月
内容紹介  東海地方の里山低湿地のみに分布し、保全対策が急がれているシデコブシの地域集団をDNAレベルで比較するため、細胞内で由来の異なる核と葉緑体からマイクロサテライトマーカー遺伝子座の違いを解析した。両性遺伝を示す核については地理的距離と遺伝的距離との対応が見出される一方、母性遺伝由来の葉緑体では必ずしも同じ傾向にはならず、遺伝的多様性の地理的な分布パターンが集団ごとに異なった。シデコブシの保全復元の際には、核と葉緑体を両方とも考慮した類似集団を選択する必要があると考えられた。

 

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