研究紹介 > 研究成果 > 研究最前線 2006年紹介分 > 絶滅危惧種アポイカンバは、ダケカンバとヤチカンバとの雑種である。
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2006年4月20日掲載
論文名 | An endemic dwarf birch, Betula apoiensis (Betulaceae), is a hybrid that originated from B. ermanii and B. ovalifolia(矮性カバノキの固有種、アポイカンバ、はダケカンバとヤチカンバとの雑種である) |
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著者(所属) | 永光 輝義・河原 孝行(北海道支所)・金指 あや子(森林遺伝領域) |
掲載誌 | Plant Species Biology(植物種生物学、日本)、21巻、2006年4月 |
内容紹介 | アポイカンバは、北海道のアポイ岳にのみ分布し、絶滅危惧種に指定されている。本種の起源を明らかにするために、サハリンと北海道、本州に分布するカバノキ属12種について核DNAの2つの領域の塩基配列を決定した。得られた系統樹において本種は、ダケカンバまたはヤチカンバと同じハプロタイプ(塩基配列のタイプ)、およびこれら2種の一方に由来するハプロタイプを持っていた。この結果は、本種がダケカンバとヤチカンバとの雑種に起源することを示唆する。アポイカンバを保全するには、これらの母種の特徴を併せ持つ形質が維持されるように、ダケカンバとの種間交雑や小集団化による遺伝的浮動を避けることが必要である。 |
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