研究紹介 > 研究成果 > 研究最前線 2006年紹介分 > 侵略的外来生物・ニューギニアヤリガタリクウズムシが小笠原のカタツムリを暴食
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2006年9月1日掲載
論文名 | High predation pressure by an introduced flatworm on land snails on the oceanic Ogasawara Islands(小笠原諸島の陸産貝類に対するニューギニアヤリガタリクウズムシの高い捕食圧) |
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著者(所属) | 杉浦 真治(森林昆虫研究領域)・大河内 勇(企画調整部)・玉田 恒(東京都小笠原支庁) |
掲載誌 | Biotropica(熱帯生物/保全学会誌)、38巻5号、2006年9月 |
内容紹介 | 小笠原諸島父島では、近年、固有陸産貝類(カタツムリ)が急激に減少しつつある。この減少は、グアムなどでの陸貝の減少と同様に、外来種ワースト100(IUCN)の1つであるニューギニアヤリガタリクウズムシ(プラナリアの仲間、以下リクウズムシ)による捕食が原因と考えられている。しかし、リクウズムシが野外でどれくらいカタツムリを食べているかは、世界的にも明らかでなかった。そこですでに陸貝が消滅した地域に、カタツムリを網袋に入れて林床に設置したところ、3日で50%以上、11日で90%以上の貝がリクウズムシによって捕食された。リクウズムシによる高い捕食圧が、陸貝の急速な減少を引き起こしていることを世界ではじめて実験的に明らかにした。なお、ニューギニアヤリガタリクウズムシは平成18年2月1日に特定外来生物に指定されている。 |
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