研究紹介 > 研究成果 > 研究最前線 2008年紹介分 > キクイムシと菌の共生関係を丸ごと利用する便乗線虫
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2008年6月3日掲載
論文名 | Description of Neodiplogaster crenatae sp. n. and N. acaloleptae sp. n. (Nematoda: Diplogastridae) from Japan(Neodiplogaster 属の2新種、N. crenatae sp. n. と N. acaloleptae sp. n. の記載) |
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著者(所属) | 神崎 菜摘・升屋 勇人・窪野 高徳(森林微生物研究領域) |
掲載誌 | Nematology(線虫学、オランダ) 10巻4号、2008年5月 |
内容紹介 | 白神山地ブナ天然林のダイミョウキクイムシ、およびショウグンキクイムシより分離し、新種記載した線虫(Neodiplogaster crenatae sp. n. )の培養試験を行いました。この結果、これまでバクテリアを中心とした雑食性とされていたNeodiplogaster 属が、実は糸状菌を主食とすることがわかりました。また、本種は一般的な糸状菌食性線虫の食餌菌と比べると、その媒介昆虫であるダイミョウキクイムシ、及びショウグンキクイムシの共生菌上でより安定的な増殖をすることが明らかになりました。以上のことより、本種はキクイムシに単純に伝搬されているだけでなく、これらキクイムシの餌資源も利用していることが示されました。 |
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