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2008年11月14日掲載
論文名 | Large-scale application of nanotechnology for wood protection(ナノテクノロジーの木材保存分野への大規模な適用) |
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著者(所属) |
P. D. Evans(ブリティッシュ・コロンビア大学、カナダ)、 松永 浩史・木口 実(木材改質研究領域) |
掲載誌 | Nature Nanotechnology(ネイチャー・ナノテクノロジー、イギリス)、 2008年10月 |
内容紹介 | 本研究では、世界で初めて、木材中に注入された銅のナノ粒子を可視化することに成功しました。 ナノテクは新技術として脚光を浴びていますが、ナノサイズの銅粒子を木材に注入する保存処理技術が2006年にアメリカで実用化されました。 薬剤の木材中における分布状態は、保存効力に直接関係することから、我々の研究グループは、高分解能電子顕微鏡を用い、ナノ粒子の可視化を試みました。その結果、木材中に注入されたナノ粒子の可視化に成功し、最小20nm未満から最大700nmの銅粒子が細胞壁の内壁面や細胞同士の連絡路に目立って分布すること、さらに細かい粒子が木材細胞壁にも浸透すること等を初めて明らかにしました。 本成果は、ナノ粒子の木材保存効果の解明や改良、木材中への薬剤の浸透機構、木材内部の微細構造等の解明に役立つことが期待されます。 |
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