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遺伝的なクローン構成がオクヤマザサの部分開花に関係

2009年4月2日掲載

論文名 Clonal identification by microsatellite loci in sporadic flowering of a dwarf bamboo species, Sasa cernua (オクヤマザサ部分開花集団におけるマイクロサテライト多型を用いたクローン解析)
著者(所属) 北村 系子・河原 孝行(北海道支所)
掲載誌

Journal of Plant Research(植物学会誌、日本)、2009年

内容紹介  ササは、数十年に一度開花して枯れると言われています。大面積での一斉開花もあれば、花があちこちに散見するような部分開花もあり、その実態はほとんど判っていません。オクヤマザサは北海道に広く分布するササで、高さは約2mになり密度の高いササ群落を形成します。2003年より毎年部分開花が観察されているオクヤマザサについて、その開花が遺伝的に制御されているかどうかを調べるためにクローン解析を行いました。クローンとは一つの個体に由来する遺伝的に同一の性質を持つ植物体を指します。ササのクローン解析の結果、同一場所で同じ年に開花していたのは全て同一個体のクローンでした。開花していないものは異なるクローンであったことから、オクヤマザサの部分開花では同一個体に由来するものが根茎による栄養繁殖でその範囲を拡大し、同時に開花していることが明らかとなりました。

 

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