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人工林の間伐率を、航空機レーザースキャナーを用いて広域かつ効率的に把握する

2009年9月7日掲載

論文名 Airborne laser scanning in forest management: Individual tree identification and laser pulse penetration in a stand with different levels of thinning(森林管理における航空機レーザースキャナーの利用:異なる間伐レベルの林分における単木の同定とレーザーパルスの透過)
著者(所属) 平田 泰雅(森林管理研究領域)、古家 直行(国際農業研究センター)、鈴木 誠(東京大学千葉演習林、退職)、山本 博一(東京大学新領域)
掲載誌

Forest Ecology and Management(森林生態と管理、イギリス)、2009年

内容紹介  間伐は健全な人工林を育成するために欠かすことの出来ない作業です。現在間伐は、効率の面から、小面積の間伐対象地をまとめて一体的に作業することが求められています。そして、その作業を進めるには、間伐の実施状況を広域的に把握しておくことが重要です。航空機レーザースキャナーは、レーザーを空から地上に向けて照射することにより、地表面や林冠の標高を計測することが可能な機器で、森林分野での応用が期待されています。本研究では、その航空機レーザースキャナーを用いて、間伐率の違いによりレーザーが林冠を透過する割合がどのように変化するのかを明らかにし、その透過率から間伐率を推定する回帰モデルを開発しました(決定係数0.89)。従来、航空機レーザースキャナーによる森林計測では、林冠と地表面からのレーザーの反射時間の差から樹木の高さを求め、材積などを量的に推定する研究が行われていましたが、本研究のように新たにレーザーの林冠の透過率を用いることで、間伐率という森林の質の評価が可能となりました。これによりこれまで広域での把握が困難であった間伐遅れの森林を見つけ出し、それらをひとつの団地にまとめることで、間伐作業の効率化に役立つことが期待されます。

 

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