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多様な可能性を持つ森林教育の内容を分類・整理

 2010年7月7日掲載

論文名 森林教育が包括する内容の分類
著者(所属) 井上 真理子・大石 康彦(多摩森林科学園)
掲載誌

日本森林学会誌92巻2号、2010年4月

doi:10.4005/jjfs.92.79(外部サイトへリンク)

内容紹介  森林は、自然体験が不足している現代の子供達に豊かな自然体験を提供する場として期待され、学校現場でも林業体験活動や登山などが行われています。さらに森林は、生物多様性の保全や地球温暖化などの環境問題への理解を深める学習の場としても大切です。しかし、森林ではこうしたさまざまな自然体験や環境学習が同じ場所で行われていながら、それぞれ別々であり、全体として林業を含めた森林の総合的な理解にはつながりにくいという問題がありました。そこで本研究では、森林教育の内容について、文献調査と森林体験活動の実態調査から得られた教育内容のキーワードを列挙し、それを整理・分類しました。東京都八王子市の調査結果では、森林体験活動には13種類の活動があり、森林教育の内容は、1)レクリエーションなどの自然とのふれあい、2)森林生態や自然観察などの自然環境、3)林業体験や木工などの森林資源、4)景観や地域の暮らしなどの地域文化、の4要素があることがわかりました。森林教育を構成する4要素の内容を明らかにすることは、森林体験活動の指導者や教員が、普段実践している活動と森林教育との関係を明らかにすることができると共に、異なる森林体験活動への理解につながり、ひいては森林・林業を総合的に理解するためのプログラム作成に寄与できると考えます。

 

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