研究紹介 > 研究成果 > 研究最前線 2011年紹介分 > 土壌炭素の経年変化を捉える計算法を開発 ―より推定精度の高いアプローチの提案―
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2011年12月22日掲載
論文名 | Comparison of depth- and mass-based approaches for estimating changes in forest soil carbon stocks: A case study in young plantations and secondary forests in West Java, Indonesia.(森林土壌炭素蓄積の変化の推定における深度法と質量法の比較 ―インドネシア西ジャワ州の植林地と二次林の事例から―) |
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著者(所属) |
鳥山 淳平(森林総研)、加藤 剛(元JICA長期専門家)、Chairil A. Siregar・Harris H. Siringoringo(インドネシア林業省)、太田 誠一(京都大学)、清野 嘉之(森林総研) |
掲載誌 |
Forest Ecology and Management (森林の生態と管理)262 pp.1659-1667 DOI: 10.1016/j.foreco.2011.07.027(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
温室効果ガスの削減方策のひとつとして期待される森林土壌が炭素を長期的に貯留する機能を正しく評価するためには、土壌炭素の経年変化を明らかにする必要があります。通常の調査方法では、決められた容量の土壌を繰り返しサンプリングする方法を採用しています。しかし、土壌の密度の経年変化により、サンプルの土壌の重さが異なってしまうため、大きな推定誤差が生じ、問題となっていました。そこで、私たちは2回の調査データを同じ土壌質量で比較できるよう、基準質量の過不足分を下層の土から補う計算方法を新たに開発しました。この方法を用い、インドネシアで得た4年間のデータを使って検証したところ、従来法で土壌炭素増加量がヘクタールあたり4.6トンとされた林地が、実際には8.8トンの増加であり、4.2トンの推定誤差を解消することを示しました。今後は本手法を用いることにより、土壌炭素の経年変化の推定精度が高まり、地球温暖化の予測に貢献することが期待されます。 |
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