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2012年3月16日掲載
論文名 | The effects of gamma irradiation on growth and expression of genes encodingDNA repair-related proteins in Lombardy poplar (Populus nigra var. italica).(ガンマ線を照射したポプラに見られる成長やDNA修復タンパク質遺伝子の発現への影響) |
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著者(所属) |
西口 満・楠城 時彦・吉田 和正(森林総合研究所 生物工学研究領域) |
掲載誌 |
Journal of Environmental Radioactivity 109:19-28(2012年7月印刷予定) DOI:10.1016/j.jenvrad.2011.12.024(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
過剰な放射線は様々な生物に悪い影響を及ぼします。我々は、放射線の一種であるガンマ線をポプラに照射し、樹木への放射線の影響を調べました。ヒトの致死放射線量を超える10グレイ(放射線量の単位)程度のガンマ線を照射してもポプラへの影響は全く観察されませんでした。しかし、50~300グレイのガンマ線を照射した場合には、葉や茎の形の異常、成長量の減少、枯死などが起こり、放射線量が多いほど重症化しました。その際、ポプラのDNAはガンマ線によって細かく切断されており、生命の設計図であるDNAが壊れることによって放射線の悪影響が現れると考えられました。一方、壊されたDNAを修復するために、幾つかのDNA修復酵素の遺伝子が活性化されることを樹木で初めて明らかにし、樹木が放射線に対する防御機構を持っていることを示しました。 |
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