研究紹介 > 研究成果 > 研究最前線 2012年紹介分 > 二酸化炭素を使って木材を短時間で脱水・乾燥させる省エネ技術

ここから本文です。

二酸化炭素を使って木材を短時間で脱水・乾燥させる省エネ技術

 2012年4月5日掲載

発明の名称 METHOD FOR DRYING LUMBER, METHOD OF IMPREGNATING LUMBER WITH CHEMICAL, AND DRYING APPARATUS(木材の乾燥方法、木材への薬剤浸透方法及び乾燥装置・アメリカ特許)
発明者及び所属

松永 正弘(森林総研)、瀬戸山 幸一(元森林総研)、片岡 厚(森林総研)、松井 宏昭(森林総研)、松永 浩史(森林総研)、藤原 健(森林総研)

特許番号 特許第8096064号
特許年月日 平成24年1月17日
特許の説明 山から切り出されたばかりの木材(生材)は多量の水分を含んでいます。そのため、木材を住宅用材や家具などに用いる前には、生材を適切な水分量まで乾燥させる必要があります。そこで私たちは、高圧の二酸化炭素を利用した、短時間で省エネの新しい木材脱水・乾燥処理法を発明しました。その方法とは、40~120℃/100~300気圧の二酸化炭素の中に生材を入れてしばらく置いておく、というものです。そうすると、生材の水分中に二酸化炭素が溶け込んでいきます。そして、その状態で圧力を大気圧に戻すと、溶け込んでいた二酸化炭素が気化し、まるで炭酸水を激しく振ったときのように、生材中の水分が吹き出してきます。その結果、100%以上だった生材の含水率が、処理後には約2分の1に減少しました。40℃程度の低い温度でも短時間で脱水されるので、生材中の水分を気化させる必要がなく、少ないエネルギーで処理ができます。今後、高速かつ省エネルギーで生材を脱水・乾燥させる新たな処理技術に繋がるものです。

お問い合わせ

所属課室:企画部広報普及科

〒305-8687 茨城県つくば市松の里1

電話番号:029-829-8377

FAX番号:029-873-0844