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山村地域での小規模な水力発電可能量を推定

2012年10月24日掲載

論文名 中山間地域におけるマイクロ水力発電ポテンシャルの推定 ―高知県吾川郡仁淀川町池川地区における試算―
著者(所属)

北原 文章(森林総合研究所 四国支所)、中山 琢夫(によど自然素材等活用研究会)、田内 裕之(森林総合研究所 四国支所)、井上 光夫(によど自然素材等活用研究会)、垂水 亜紀(森林総合研究所 四国支所)

掲載誌

森林応用研究、vol.21(2): 39-41、応用森林学会、2012年8月

内容紹介

近年、化石燃料への依存による温暖化問題や、福島第一原子力発電所の事故から、再生可能なエネルギーが見直されています。本研究では、その中でも小規模な水力発電、とりわけ発電出力10~20kw程度のマイクロ水力発電に着目し、水資源が豊富で森林面積が約9割を占める高知県仁淀川町を対象に、発電ポテンシャルの試算を行いました。GISを用いた地形解析によるこの試算は、主に中山間地域において、数軒共同でマイクロ水力発電を設置し、利用する際の発電能力を予測します。
その結果、池川地区における仁淀川水系上流部の普通河川においても十分な落差がある場合、10~20kw程度の発電量の可能性が示唆されました。なお、1世帯の平均電力消費量は1.5kw程度です。普通河川は河川法上、水利権が発生せず、誰でも使えます。また20kw未満の発電規模であれば電気事業法による法的手続きも不要なことから、数軒の世帯が利用する分散型エネルギー源としての利用価値が見込まれました。
実際の利用にはコストの問題がありますが、今後、再生可能エネルギーの選択肢の一つとして期待されます。
研究資金: 地域資源で循環型生活をする定住社会づくり 「Bスタイル」プロジェクト

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