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無間伐林において炭素蓄積量の過小推定をもたらす要因

2013年1月25日掲載

論文名 過密人工林分における地上部バイオマス推定に関する誤差要因の検証 ―40年生ヒノキ人工林における伐倒調査による事例研究―
著者(所属)

光田 靖 (四国支所、現:宮崎大学)

掲載誌

森林計画学会誌、46、森林計画学会、2012.12 論文へのリンク(外部サイトへリンク)

内容紹介

森林の炭素吸収量は対象となる年の炭素蓄積量から基準となる年の炭素蓄積量を差し引いた差分として計算されます。これまでは炭素蓄積量の推定には、立木の高さと太さから推定する方法が用いられていますが、この推定方法は間伐などの通常の森林管理がされている林を対象として開発されたものです。そのため、近年増加してきた、植栽されてから全く間伐されない無間伐林に対して正しいか明白ではありませんでした。

そこで、40年生の無間伐ヒノキ人工林において従来の炭素蓄積量推定方法を検証しました。まず、5本の立木を選んで高さと太さを計測し、従来の方法で炭素蓄積量を推定しました。次に、その木を伐採して実際の炭素重量を計測しました。両者を比較したところ、5本中4本で推定値が計測値よりも小さくなっており、従来の方法では炭素蓄積量を過小推定する傾向が認められました。その要因は、無間伐林分での立木の単位体積当たりの重さが、従来の標準値よりも大きいことでした。今後、この傾向をより大規模な調査によって検証し、より正確な推定方法の開発に反映していきます。

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