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2013年4月26日掲載
論文名 | Sound insulation performance of wood (Larix kaempferi) sound barriers constructed along an expressway twenty years ago (20年前に高速道路沿いに建設されたカラマツ製遮音壁の防音性能) |
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著者(所属) |
末吉 修三(構造利用研究領域)、塩田 正純・坂田 淳(工学院大学)、柴田 直明・吉野 安里(長野県林業総合センター) |
掲載誌 | 森林総合研究所研究報告、Vol. 11, No. 4 (No. 425) 243-248 (2012.12) 論文へのリンク |
内容紹介 |
木製遮音壁は、コンクリートや金属製の遮音壁と比較して、環境負荷が低いことが評価され、欧米では比較的普及していますが、我が国では試験的な設置に留まっています。本研究では、木製遮音壁の利用を促進するため、防音壁の性能の経時変化を明らかにすることを目的として、20年前に高速道路沿いに建設された木製遮音壁を取り外して、その防音性能を調べました。 木材を組み合わせて作られた木製遮音壁では、その継ぎ目の部分が防音性能に大きく影響します。実験では、継ぎ目の大きな隙間を油粘土で埋めることによって防音性能が改善され、日本の高速道路の遮音壁設置基準を満たすことが確かめられました。さらに、すべての継ぎ目を油粘土で埋めると、防音性能は一段と改善されました。これらの結果から、木製遮音壁の木材部分には十分な防音性能があること、また隙間が生じにくいデザインで、しかも隙間が生じにくいように適切に維持管理すれば、木製遮音壁の防音性能は少なくとも20年間は保たれることが実証されました。この成果は、木製遮音壁の設計や維持管理方法の改善のために活用され、ひいては木製遮音壁の普及につなげられます。 |
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