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2013年6月17日掲載
論文名 | 自然エネルギー利用住宅の開発と性能評価(その3) ―簡易型空気循環式太陽熱利用システムの放射冷却と日射による吸放湿現象と居住空間への加湿効果― |
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著者(所属) |
塙 藤徳(バイオマス化学研究領域)、森川 岳(構造利用研究領域) |
掲載誌 | 太陽エネルギー 39巻(3)45-52 (2013年5月31日発行) ISSN: 0388-9564 |
内容紹介 |
近年、エアコン等の暖房による温度上昇により、居住空間が過剰に乾燥することが問題となり、加湿器等が利用されるようになってきました。ところが、当研究所が研究してきた簡便なソーラーシステム(屋根面へ照射される太陽エネルギーを利用して温められた空気を室内に循環するシステム)の場合は、加湿効果があり、適度な湿度になることがわかりました。 その機構は、屋根下に木材を用いた通気路を構成し、その木材が夜間に屋根からの放射冷却により冷やされ、空気中の水分が木材に吸収されます(霜や夜露に似た現象)。次に、その水分が太陽エネルギーによる温度上昇とともに通気路中に放出され、その水分を多く含んだ空気が簡易ソーラーシステムより居住空間に運ばれて室内が加湿されると考えています。実験データを基に換気により失われる水分を考慮して加湿量を計算すると、冬季65日間の平均として一棟で一日あたり3.3 kgの加湿能力のあることが分かりました。さらに、構造材である柱・梁を これらの研究成果は、エネルギーを使わずに冬季の湿度環境を快適に保つ新しい技術として発展が期待されます。 |
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