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2013年8月12日掲載
論文名 | 植栽時期の違いがスギコンテナ苗の植栽後1年目の活着と成長に及ぼす影響 |
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著者(所属) |
山川 博美(九州支所)、重永 英年(九州支所)、久保 幸治(九州森林管理局)、中村 松三(九州支所) |
掲載誌 | 日本森林学会誌, 95, 206-211, 2013年8月 DOI:10.4005/jjfs.95.214(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
木材価格の低迷などにより悪化した林業経営の健全化を図るため、生産コストの削減が求められていますが、植栽や下刈りといった初期保育の低コスト化は大幅に遅れています。そのなかで、伐採と同時に植栽することでコストダウンを図る一貫作業システムが着目を浴びています。このシステムの導入のためには、季節を問わず植栽できる苗が必要で、その切り札としてコンテナ苗が期待されています。しかし、コンテナ苗の活着や成長を実際に裏付けるデータはほとんどありませんでした。 そこで、九州森林管理局と共同で、コンテナ苗の時期別植栽試験を計画し、12月、2月、5月、8月、10月にスギのコンテナ苗を植栽しました。また、通常の植栽時期である2月には同時に裸苗も植栽しました。 2月に植栽した裸苗の活着率は95%でしたが、コンテナ苗の活着率はすべての植栽時期において裸苗と同じかそれ以上の成績でした。植栽1年目のコンテナ苗は、生育シーズン注)の途中という通常の植栽時期外に植栽してもすぐに成長を始めました。また、コンテナ苗と裸苗の1生育シーズンあたりの成長量はほとんど同じでした。 この結果は、コンテナ苗の通年植栽の可能性を初めて確かめたものであり、今後コンテナ苗を用いた低コスト林業の推進に利用できると期待されます。 注)植物が成長を行う季節で本試験地では4~10月です。 |
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