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高性能マイクを用いた新しいシロアリ検出法の開発

2015年4月15日掲載

論文名

室内実験によるシロアリ食害検出における非接触式AE検出装置の有効性検証

著者(所属)

大村 和香子 (木材改質研究領域)、原田 真樹 (構造利用研究領域)、神原 広平 (木材改質研究領域)

掲載誌

環動昆、26巻1号、日本環境動物昆虫学会、2015年3月予定

内容紹介

木造住宅を長期間にわたって安心して使うために、高性能マイクを用いてシロアリ被害を早期に発見する新しい装置を開発しました。シロアリによる住宅被害は、床下の土台や壁の中など、外からは見えにくいところで生じます。従来の一般的なシロアリ被害検出装置は、シロアリが木材をかじる時に発生する超音波(食害音)を検出するもので、超音波センサーを木材に接触させる必要がありました。そのため、床下など人が入り込めないところでは使えない、という大きな問題がありました。

この点を改良するために、従来製品の30倍程度感度を向上させた高性能なマイクを用いることで、シロアリが発する食害音を離れたところから検出可能な装置を開発しました。本研究ではシロアリ食害音の検出精度を既往の装置と比較し、同程度の精度で1m以上離れたところからシロアリを検知できることを明らかにしました。

新たなシロアリ被害検出装置の開発により、人が入り込めないために検査できなかった箇所での被害検出ができるようになり、実際の住宅におけるシロアリ被害診断の早期発見に繋がります。

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