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燃料用丸太の天然乾燥 ~何日かかるか推定する方法を開発~

2017年11月22日掲載

論文名

階層ベイズモデルを用いた丸太の天然乾燥における乾燥時間の推定および丸太の諸形質が乾燥性に及ぼす影響の評価

著者(所属) 渡辺 憲(木材加工・特性研究領域)、高麗 秀昭(複合材料研究領域)、小林 功・柳田 高志・鳥羽 景介(木材加工・特性研究領域)、三井 幸成(熊本県林業研究指導所)
掲載誌

木材学会誌、63巻2号、63-72、日本木材学会、2017年3月 DOI:10.2488/jwrs.63.63(外部サイトへリンク)

内容紹介

近年、木質バイオマスを利用した発電や熱供給事業が各地で進められており、未利用間伐材等の丸太から燃料用木質チップを生産する動きが活発化しています。燃料用木質チップは含水率を低くすることでより大きなエネルギーが得られるため、乾燥が不可欠です。伐採した丸太を山土場で乾燥してチップ化する場合に、丸太の乾き方が1本1本異なるため、どのくらいの期間で乾燥できるのかよくわからないという問題がありました。

そこで、スギ丸太の天然乾燥試験を茨城県内で実施し、丸太の諸形質(乾燥前の含水率、直径、長さ)から乾燥期間中の含水率の変化を推定するモデルを作成しました(図)。丸太の直径が太いほど、長さが長いほど乾燥速度が低下するというモデルを用いて検証した結果、様々な形質を持つ丸太の含水率の経過が求まり、山積みにされた丸太をどのくらいの期間天然乾燥すればよいのか推定できることが分かりました。この成果によって丸太の天然乾燥期間が明確になり、低含水率で品質のばらつきが少ない燃料用木質チップの生産に役立ちます。


図:丸太の含水率変化の模式図とそのモデル化

図:丸太の含水率変化の模式図とそのモデル化

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