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2018年8月7日掲載
論文名 |
TodoFirGene: Developing Transcriptome Resources for Genetic Analysis of Abies sachalinensis. (TodoFirGene: トドマツの遺伝分析のためのトランスクリプトームリソースの開発) |
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著者(所属) |
上野 真義(樹木分子遺伝研究領域)、中村 幸乃・小林 正明・寺島 伸(明治大学)、石塚 航(北海道立総合研究機構)、内山 憲太郎(樹木分子遺伝研究領域)、津村 義彦(筑波大学)、矢野 健太郎(明治大学)、後藤 晋(東京大学) |
掲載誌 |
Plant and Cell Physiology 59(6):1276–1284, June 2018、DOI:10.1093/pcp/pcy058(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
トドマツは北海道の造林面積の過半数を占める主要な樹木で、その分布域は、海岸付近から標高1600mの亜高山帯にまで広がっています。亜高山帯は、強風や低温など樹木の生育にとっては厳しい環境であり、そこで生育するトドマツは成長が遅いが早熟である(若齢で開花する)ことが知られています。近年の研究により、このような環境に適応したトドマツの成長特性が遺伝的なものであることが明らかになってきました。 今回、トドマツの環境適応に関連する遺伝子を明らかにするため、トドマツの主要な器官(雄花、雌花、新葉、内樹皮)で働く遺伝子の塩基配列情報を網羅的に収集し、データベース(TodoFirGene)として公開しました。このデータベースには、69,618個の遺伝子について、塩基配列の特徴、推定される機能、各器官における各遺伝子の発現量や、シロイヌナズナやポプラなどのモデル植物の遺伝子との比較の解析結果が納められています。これらすべての情報をウェブブラウザで簡単に検索することが可能になっています。このデータベースは、環境適応に関連する遺伝子の探索や近縁種との比較研究を行う上で基盤となる情報を提供しています。
写真:データベース(TodoFirGene)のポータルサイト |
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